PR

ミャンマーと共鳴、タイで抗議デモ再燃 「ミルクティー同盟」で連携深まる

PR

 【シンガポール=森浩】タイで一時沈静化していたプラユット政権への抗議デモが再燃している。隣国のミャンマーで広がる国軍クーデーターへのデモに共鳴している形で、その手法が取り入れられてもいる。権威主義に反発するアジアの若者らが会員制交流サイト(SNS)を通じて連帯を示す「ミルクティー同盟」が、両国のデモ隊の結びつきを強めている。

 タイの首都バンコクでは2月28日、大規模デモが実施され、デモ隊と警官隊の衝突で双方の計36人が負傷した。地元当局の発表によると、警察官1人が死亡したという。プラユット首相は「デモ参加者が暴力行為に及んだ」と批判した。

 タイの抗議デモは昨年2月、政権に批判的だった政党に憲法裁判所が解党命令を出したことをきっかけに発生。プラユット氏退陣や軍政下で制定された憲法の改正、王室改革などを求めて若者らがデモを続けてきた。昨年12月以降、新型コロナウイルスの流行拡大を受け一時休止していたが、2月上旬ごろに再び活発化した。

 デモ再燃の理由の一つはミャンマー国内で拡大したデモだ。タイの活動家の一人はロイター通信に「(両国のデモ隊が)一緒に行動していると感じている」と述べた。ミャンマーのデモでは参加者が「悪霊退散」を願う際の風習にならって金属などを打ち鳴らす様子が見られるが、この手法はタイにも広がった。独裁と戦う意思を示すために3本指を立てるポーズはタイで始まり、ミャンマーでも定着した。

 双方を結ぶミルクティー同盟はSNS上で「民主化推進派による汎アジアの連帯」(ロイター通信)を示す運動として拡大中だ。もともとは香港、台湾、タイのSNS利用者が独裁や権威主義への共闘のために立ち上げ、そこにミャンマーも加わった。名称は各地域でミルクティーを飲む習慣に由来するとされるが、米外交誌ディプロマットは同盟という枠組みができたことで「戦術の共有や主張の拡散がしやすくなった」と分析している。

 タイとミャンマーは軍が政治に影響を及ぼす構造が似ていることも、双方のデモ隊に共感が生まれた理由の一つとみられる。プラユット氏は陸軍出身で2014年のクーデターで実権を掌握し、ミャンマー国軍にも融和的な姿勢を維持する。タイのデモに参加している大学生(20)は「両国の軍は国境を越えて連携している。抗議活動も連携を強化していくべきだ」と力を込めた。

この記事を共有する

おすすめ情報