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アフガン和平合意から1年も攻撃激化 米軍の駐留継続論強まる

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バイデン大統領(AP=共同)
バイデン大統領(AP=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】アフガニスタンの恒久平和に向けて米政府とアフガンのイスラム原理主義勢力タリバンが昨年2月29日に和平合意を結んでから1年がたった。しかし、タリバンとアフガン治安部隊との戦闘は各地で続いているほか、タリバンに連なるイスラム武装勢力によるテロ攻撃は現在も続発。バイデン米政権は5月1日にアフガン駐留米軍の撤収期限を迎えるが、米国内では駐留を継続せざるを得ないとの声が強まっている。

 和平合意は、タリバンが国際テロ組織アルカーイダなどの武装勢力と絶縁し、アフガンを再びテロの温床にしないことを確約するのと引き換えに、米軍を含むアフガン駐留外国軍部隊を5月1日までに撤収させるという内容だ。

 しかし、バイデン政権はタリバンが今もアルカーイダと連携しているほか、暴力行為も続けているとして懸念を強めている。

 国務省のプライス報道官は2月22日の記者会見で「アフガン国内での暴力の水準は容認できないほど高い。また、暴力がさらにエスカレートする兆候が出ていることに困惑している」と述べ、タリバンに暴力の自制を求めた。

 2001年の米中枢同時テロを受けて開始されたアフガンでの「テロとの戦い」の最大の目的は、アフガンを再びイスラム過激派による対米テロ攻撃の拠点にさせないことだ。

 しかし、「終わりなき戦争を終わらせる」と公約したトランプ前大統領が退任直前、アフガンでの米軍の駐留規模を約2500人まで削減した結果、タリバンが「米軍に対する勝利だ」と勢いづき、アフガン政府に対する攻勢を活発化させる事態に陥っている。

 また、アルカーイダに加え、シリアやイラクから流入したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)によるテロ活動も各地で相次いでいる。

 米軍を含む北大西洋条約機構(NATO)を中心とする外国駐留軍部隊の規模は、現在約1万人。2月17、18日に開かれたNATO国防相会議も5月までのアフガン撤収に関し結論を出すのを見送った。

 NATOのストルテンベルク事務総長は「適切な時期までアフガンを離れない」と述べ、性急な撤収に慎重な立場を示した。

 バイデン政権は、タリバンによる合意の順守状況を検証した上で全面撤収に踏み切るかを判断する。しかし、タリバンは「合意は守っている」と主張し、米軍が5月までに撤収しない場合は、大規模攻勢も辞さないと警告している。

 アフガン和平を担当するハリルザド特別代表は近くカタールのドーハでタリバンとの協議を再開し、和平の前進を図る考えだ。

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