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米、パリ協定に復帰 中国牽制し「全加盟国が対策強化を」

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ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)=ロイター
ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)=ロイター

 【ワシントン=塩原永久】米国は19日、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に正式復帰した。バイデン米政権のケリー大統領特使(気候変動問題担当)は同日、国連のオンラインイベントで「米国は国際的な取り組みに戻った」と演説し、米国が指導力を発揮すると表明。「すべての国がともに目標を引き上げなければならない」と話し、中国や日本などの主要国に対策の加速を促した。

 米国の復帰で温室効果ガスの主要排出国がそろい、パリ協定の運用をめぐる各国の外交が本格化する。気候変動対策は国のエネルギー政策や産業競争力にも影響するため、自国に優位な運用を目指して、米中などの国家間のせめぎ合いが激しくなる可能性がある。

 トランプ前政権が離脱したパリ協定について、バイデン米大統領は就任初日の先月20日に復帰を決定。米国の加盟国としての地位がこの日、発効した。

 ケリー氏と同席した国連のグテレス事務総長は「米国の不在はパリ協定に溝を生み、全体的な対策を弱めた」と指摘。「今こそ変革を実行するときだ」と米国の復帰を歓迎した。

 パリ協定をめぐり、11月に英国で開かれる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が当面の焦点だ。運用状況などが話し合われるとみられる。

 ケリー氏は「中国は世界最大の(温暖化ガス)排出国だ」と牽制(けんせい)した上で、インドや日本などとともに「全加盟国が対策を強化しなければならない」と指摘した。米国はパリ協定のもと、温暖化ガス削減目標を引き上げる方向で、各国も踏み込んだ対策をとるよう要請。2050年に世界の温暖化ガス排出を実質ゼロとする目標を、前倒しして達成すべきだとの認識も示した。

 バイデン政権は温暖化を「地球の存亡に関わる脅威だ」と位置づけ、大規模な投資を通じて、再生可能エネルギーの導入拡大や、電気自動車(EV)の普及促進を目指している。産業競争力の向上と、国内の雇用増につなげる狙いもある。

 バイデン氏は4月22日に主要排出国の首脳らを集めた会合を開く予定だ。化石燃料掘削のための公用地貸与を凍結する大統領令に署名するなど、温暖化対策に後ろ向きだった前政権からの転換を鮮明にしている。

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