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ワクチン接種、英はボランティアも投与

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7日、オーストリアのウィーンで、ファイザー社製のワクチンの接種を受ける医療従事者(ロイター)
7日、オーストリアのウィーンで、ファイザー社製のワクチンの接種を受ける医療従事者(ロイター)

 英統計専門サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、世界で投与された新型コロナウイルスのワクチンはすでに1億7794万回分にのぼる。国民の接種率ではイスラエルを筆頭に英国や米国などが続く。ワクチン接種で日本に先行する諸外国は、どのように大規模接種を行っているのか。

■イスラエル 2回目終えた人も25%超

 世界最速で接種が進むイスラエルでは、国民の4割超が1回目の接種を受け、2回目を終えた人も25%を超えた。イスラエルの保健機構は16日までに、米製薬大手ファイザーなどが開発したワクチンには発症を94%減らす効果があり、重症化するケースも92%減ったとの調査結果を発表した。

 重症者や入院者が減少傾向になったとして、政府は近く感染拡大防止を目的とした各種の規制を緩和する方針だ。

 イスラエルで接種が進む背景には国民皆保険制度といった充実した医療基盤がある。一元管理する国民の病歴データに基づいて接種の優先順位が決められ、各人の携帯電話などに直接連絡がとられている。イスラエルが他国と比べて高い価格を製薬会社に提示したことなども、ワクチンの優先供給につながった。

■英 1500万人超が少なくとも1回

 累計感染者数が世界4位で死者11万人以上を出した英国でも接種が急ピッチで進む。英政府は14日、人口の2割超に当たる1500万人以上が少なくとも1回の接種を受けたと発表した。政府は5月までに50歳以上、9月までに18歳以上の成人全員に接種させることを目指している。

 接種を加速させるため、英国ではサッカーのスタジアムや劇場でのワクチン接種を可能にするなど接種会場を拡充。接種を円滑に進めるために人材の確保も積極的に行ってきた。

 報道によると、陸軍などからはワクチン投与を行う軍医や輸送を担う一般軍人ら5000人以上を動員。ワクチン投与や接種会場での誘導を担当するボランティアの育成も進められ、政府は今春までに3万人以上を訓練する方針だ。医療資格を持たないボランティアでもワクチン投与ができるようすでに法改正が行われた。

 政府はワクチン不足に対応するため、1回目と2回目の接種間隔を、当初の約3週間以内から3カ月以内に延ばした。英オックスフォード大は英製薬大手アストラゼネカと共同開発したワクチンについて、初回接種から3カ月間は76%の有効性が持続するとの研究結果を発表している。

■米 法改正、退職5年内の医師らも接種可能に

 世界最多の48万人以上がコロナ感染で死亡した米国では、1月に発足したバイデン政権が1日150万回の接種を目標に掲げる。大リーグの球場が大規模接種会場にされており、米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)の施設を使うことも検討されている。

 ワクチン投与にあたる人員を確保するため、政権は退職などで免許が失効して5年以内の医師や看護師が接種を行えるよう法を改正。国防総省は米軍の看護師など約1000人を全米各地に派遣する。11日からは一般の薬局でも予約した上での接種が可能になり、政権は薬局へのワクチン供給を増やしていく方針だ。

 他方でワクチン不足の問題も顕在化しつつあり、西部ロサンゼルスは大規模接種会場を一時的に休止した。(平田雄介、カイロ 佐藤貴生、ロンドン 板東和正、ワシントン 住井亨介)

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