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ニューヨークでワクチン接種の人種格差解消が課題に 

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5日、米ニューヨークのヤンキースタジアムで、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるため並ぶ人たち(ゲッティ=共同)
5日、米ニューヨークのヤンキースタジアムで、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるため並ぶ人たち(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスのワクチン接種が進む米ニューヨーク市で、接種状況に人種的な偏りが目立っている。白人に比べて黒人やヒスパニック(中南米系)の接種率が低いのだ。背景にはワクチンへの不信感に加え、アクセス面の問題が指摘され、コロナ供給の人種格差を解消するため、行政当局は躍起になっている。

 ニューヨーク市の9日付の統計によると、少なくとも1回の接種を受けた人のうち、白人は46%、アジア人は16%、中南米系は16%、黒人は12%となった。白人とアジア人は接種率が人種比率を上回るが、中南米系と黒人は人種比率の約2分の1程度となる。

 先月末には、中南米系が多く住むワシントン・ハイツ地区の接種会場に地元住民ではない白人が押し寄せたとされ、現場に居合わせた医師が「ワシントン・ハイツで、あんなにたくさんの白人の姿を見たのは初めてだ」とツイッターに書き込むなど、批判が殺到する騒ぎとなった。

 黒人や中南米系でワクチン接種が進まない背景は、「政府や医療制度への不信感」(ニューヨーク州のクオモ知事)のほか、接種の申し込みに必要なインターネットが使えない人が多いなどの問題点も大きいと指摘されている。

 ニューヨーク市では格差解消のため、人的少数派が多く住む地域に大規模接種会場を次々と設置。今月5日には米大リーグ・ヤンキースの本拠地「ヤンキースタジアム」で、医療従事者や65歳以上など要件を満たしたブロンクス区民のみを対象にワクチン接種を始めた。またクイーンズ区にあるメッツの本拠地「シティ・フィールド」でも10日以降、地元住民のほか、タクシー運転手や飲食店従業員などの接種が可能となる。

 米国では新型コロナで黒人や中南米系が死亡する割合が、白人に比べて際立って高い。米公共ラジオ(NPR)によると、南部の州ではワクチンの接種会場が裕福な白人の居住地域に集中しているといい、ワクチン供給の公平性の確保は全米共通の課題となっている。

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