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バイデン大統領 異例の外交演説 「内政偏重」「対中融和」の懸念払拭図る 

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外交方針演説を行うバイデン米大統領=4日、ワシントン(ロイター=共同)
外交方針演説を行うバイデン米大統領=4日、ワシントン(ロイター=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領が4日に国務省で行った初の外交政策演説は、新型コロナウイルス対策と経済再建という2大懸案に直面するバイデン政権が「国内政策重視」に偏るとの懸念を一掃し、国際社会に対して米国が「同盟重視と国際協調」を基軸にリーダーシップをとっていく意思を明確に打ち出す狙いがある。

 新大統領が早々に国務省を訪れ、施政方針演説に先立って外交演説を行うのは異例だ。トランプ前大統領が任期中の4年間で国務省を訪れたのは、2018年5月にポンペオ国務長官(当時)の就任宣誓式に出席した1回のみだった。

 バイデン氏は国務省職員向けの訓示で、前政権ではホワイトハウスが外交政策を主導し、国務省は脇役に回りがちだったのを念頭に「私は君たちを全面支援する」と述べ、同省重視の姿勢を示した。

 バイデン氏は演説で、政権が中国やロシアといった権威主義体制との競争を「強い立場」から展開すると訴えた。そのためには同盟諸国との連携や国際機関での米国の役割強化、米国が世界の中で信頼と道徳的権威を回復することが必要であるとも強調した。

 サキ大統領報道官は1月25日の記者会見で、中国への対応で「多少の戦略的な忍耐を持って対応したい」と述べ、日本の一部でも波紋と臆測を呼んだ。

 ただ、民主党関係者によると「忍耐」とは、新政権が対中政策の策定に際し、同盟諸国や議会の超党派、省庁間の協議と調整を重ねて今後の取り組みを練り上げるのを待つ必要がある、との意味なのだという。

 米政権が対中政策の具体化を進め、その内容が明示されるのを待つ現状下、政権の「対中融和」を警戒する立場からすれば、米高官や当局者による細かい言葉遣いが懸念や疑いの対象になることも少なくない。

 その意味でバイデン氏の演説は、各国にくすぶる疑念を一掃する狙いも込められていたのは確実だ。だからこそ米政権としては同盟諸国が納得し得る強力で実効性のある対中露政策を構築し「期待外れ」の印象を持たれないことが必須だ。

 演説で「最も近い友人」の一つである国として名指しされた日本も、引き続きバイデン政権に対し、北東アジアでの中国をめぐる脅威の実情を説明し、日本として広くインド太平洋地域の安定に向け米国や関係国と共同で取り組む施策を積極的に提唱していくことが重要になってくる。

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