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【ポトマック通信】「ミー・トゥー」の偽善

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 マスクを着用し、地元の米東部デラウェア州の戦没者慰霊碑を訪れたバイデン前副大統領=5月25日(AP=共同)
 マスクを着用し、地元の米東部デラウェア州の戦没者慰霊碑を訪れたバイデン前副大統領=5月25日(AP=共同)

 11月の米大統領選で政権奪還を目指す民主党のバイデン前副大統領に降りかかった、27年前の女性職員暴行疑惑は、告発女性の発言の矛盾が指摘されているほか、女性の代理人の一人が急に退任するなど、尻すぼみの感を強めつつある。

 現時点では何も断定できないが、一昨年に左派勢力が執拗(しつよう)に取り上げたものの具体的証拠が発見されず不問に付された、現最高裁判事で保守派のブレット・カバノー氏による過去の女性暴行疑惑と同様の結末をたどる可能性が出てきた。

 ただ、カバノー氏とバイデン氏の事例では決定的に異なる点がある。カバノー氏の場合、セクハラを告発する折からの「ミー・トゥー(私も)」運動を背景に、民主党左派やフェミニスト系活動家らが「勇気ある女性の告発は真実とみなすべきだ」と同氏を一方的に断罪した。バイデン氏については、同じ勢力が当初、告発を無視しようとした。

 相手が仇敵(きゅうてき)の保守派ならば躊躇(ちゅうちょ)なく攻撃するが、身内のリベラル左派は擁護する。女性の急進左派の先鋒(せんぽう)、オカシオコルテス下院議員にいたっては「女性の告発を信用するが、バイデン氏に投票する」と語り、自己矛盾を露呈している。

 左派フェミニズムの「偽善」と「二重基準」を暴いたという点で、今回の騒動に一定の意味はあったといえそうだ。(黒瀬悦成)

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