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米国も襲う医療品不足 NY市「あと2~3週間で枯渇」

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マスクや手袋、ガウンなどの医療用品も不足。新型コロナウイルス感染への懸念は電車の乗り方も変えてしまった=3月19日、米ニューヨーク(AP)
マスクや手袋、ガウンなどの医療用品も不足。新型コロナウイルス感染への懸念は電車の乗り方も変えてしまった=3月19日、米ニューヨーク(AP)

 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染が加速度的に広がる米国で、医療用品が枯渇し、病床も不足するという懸念が日増しに強まっている。イタリア北部などで起きた「医療崩壊」を防ぐため、感染者数が全米最多のニューヨーク州では連日、あの手この手で医療物資や人手の確保を呼び掛けている。

 「最も必要なのは人工呼吸器だ。人工呼吸器とは、この(ウイルスとの)戦いにおいて、第二次大戦でのミサイルだ」。ニューヨーク州のクオモ知事は20日の記者会見でこう強調。第二次大戦時の有名な宣伝ポスターも画面に掲示して、ウイルスから人命を救うカギとなると、人工呼吸器確保の重要性を訴えた。

 知事は現在約6千台を保有しているが、今後は3万台が必要になるとの見通しを明らかにした。全世界で不足している状態で調達は困難。使用しない人工呼吸器を所有する医療施設に対し、買い取りなどを呼び掛けた。

 また、マスクや手袋、ガウンなどの医療用品も足りていない。米紙ワシントン・ポストによると、スキーのゴーグルやバンダナなどを代用している病院もあるといい、ニューヨーク市のデブラシオ市長は20日、「医療用品は2、3週間で何もなくなってしまう」と現状を説明した。

 米国ではインフルエンザも流行。米疾病対策センター(CDC)によると、昨年10月以降に推定2万3千人が死亡、累計で約39万人が入院したといい、病院はすでに手いっぱいだ。経済協力開発機構(OECD)によると、人口1千人あたりの米国の病床数は2・8。これは新型コロナによる死者数が深刻なイタリア(3・2)、中国(4・3)と比べても少ない。クオモ氏は5万台の確保を目指し、大型の展示センターや大学寮などを改装して病床を増やす考えで、トランプ政権も1千の病床がある米海軍の病院船をニューヨーク市の港に派遣することを決めた。

 約2750万に上る米国の無保険者の対応も急務だ。「新型コロナにかかっても、高額な医療費を支払いたくない」と不安に思う人も少なくなく、感染者の十分な隔離措置が取られなければ、拡大は食い止められない。米議会では、無保険者の感染検査費の補償を盛り込んだ法案が審議されている。

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