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【米大統領選】民主党指名へ前進 バイデン氏に「左傾化」の懸念

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サンダース米上院議員(右)との公開討論会に出席したバイデン前副大統領=15日、ワシントン(AP)
サンダース米上院議員(右)との公開討論会に出席したバイデン前副大統領=15日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】11月の米大統領選に向けた民主党候補指名争いは17日、南部フロリダ州など3州で行われた予備選で勝利した中道穏健派のバイデン前副大統領(77)が指名獲得に大きく前進し、今後は対抗馬である急進左派のサンダース上院議員(78)がいつ撤退を決めるかが注目点になってきた。一方、バイデン氏がサンダース氏の撤退を見越し、同氏の支持層を吸収したい思惑から政治的立場を急速に左傾化させており、今回の選挙を「資本主義対社会主義」の戦いと位置付けるトランプ大統領(73)の術中に自らはまり込む恐れも出てきた。

 バイデン氏は同日夜の結果を受けた「勝利声明」で、「サンダース氏は私とビジョン(将来への展望)を共有している」と述べた上で「私の目標は党を結束させ、米国をまとめ上げることだ」と強調し、同氏の支持勢力である若者層に合流を呼びかけた。

 ロイター通信と調査会社イプソスが12日発表した全米合同世論調査によると、民主党支持者の間で同党の大統領候補に求める要件として49%が「トランプ氏に勝てること」と回答。具体的に誰が勝てるかについては56%がバイデン氏、25%がサンダース氏と答えており、同党支持者の間でバイデン氏待望論が高まっているのは事実だ。

 一方、サンダース氏の支持者のうち、バイデン氏が本選候補に選ばれた場合は同氏に投票すると答えたのは51%にとどまり、党内の中道穏健派対急進左派の亀裂が深刻であることも改めて浮き彫りとなった。

 バイデン氏はこの日の予備選に先立つ15日の候補者討論会で、トランプ政権が進める厳格な移民政策に関連し、「大統領に就任後100日は(不法移民を)一人も国外退去処分にしない」との公約を発表。本国で罪を犯してから米国に不法入国した場合でも米国での犯罪歴がない場合は退去の対象にしないとの立場も示し、トランプ陣営から「米国を危険に陥れる政策だ」と非難された。

 バイデン氏はまた、エネルギー政策に関してもサンダース氏の支持勢力を意識して「化石燃料の廃止」を訴え、「石油・石炭・天然ガス業界への補助金を廃止し、国有地や沖合での掘削を禁止する」と言明。環境破壊が指摘される水圧破砕式のシェールガス開発では、当初は規制強化を唱えるだけだったのが、サンダース氏と同様に「全面廃止」を唱え始めた。

 バイデン氏としては、出身地ペンシルベニア州の石炭業界の票をトランプ氏から奪い返すことは、当選への重要なカギになるとみられている。党内の急進左派に引きずられて過激な環境政策を唱えれば、トランプ陣営からの絶好の攻撃材料になるのは確実だ。

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