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WTOの紛争解決機能強化を訴えるEU 米との溝は深く

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 記者会見に臨む中国外務省の華春瑩報道局長=11日、北京(共同)
 記者会見に臨む中国外務省の華春瑩報道局長=11日、北京(共同)

 【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)は世界貿易機関(WTO)の紛争処理機能の強化を訴える立場を示しており、WTOに否定的な米国との隔たりは大きい。WTOをめぐる米欧の見解の食い違いは、紛争処理機能の機能不全の解消を遅らせそうだ。

 「WTOは危機的状況にある」

 米メディアの取材に応じたEU関係者は今月、そう指摘した。EUは、上級委員会の機能不全を「WTOの存続を危うくする事態」と重く受け止めており、何かしらの対応策を講じたい考えだ。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、EUは対応策として、暫定的な裁判所の創設を提案している。同裁判所は上級委員会の機能を模して拘束力のある判断を下す組織が想定されており、同紙は「(裁判所の創設は)WTOの紛争解決能力をいくらか引き延ばす可能性がある」と指摘する。カナダやノルウェーはすでに支持を表明しているという。

 欧州司法裁判所を持つEUは、司法が加盟国の主権に踏み込む国際的な貿易裁判所の存在を重視しており、WTO脱退にも言及する米国との溝は深い。

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