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国威、栄誉追求…構造的問題背景か 露ドーピング検査改竄

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露オリンピック委員会が入居するビル=11月23日、モスクワ(ロイター)
露オリンピック委員会が入居するビル=11月23日、モスクワ(ロイター)

 【パリ=小野田雄一】ロシアの組織的ドーピング問題で、2020年東京五輪を前にロシアに厳しい処分が下った。問題の背景には、スポーツを国威発揚の場とみなす露政府や、不正をしてでも栄誉を追求する一部の選手やコーチの存在など、ロシアの旧態依然とした構造が横たわっているとみられている。

 世界反ドーピング機関(WADA)の処分について、露バイアスロン連盟のドラチョフ会長は9日、「決定は政治的なものだ」とWADAを非難。ロシアではWADAの決定は、欧米の反露キャンペーンの一環だとする見方が根強い。

 現時点でドーピング検査データ改竄(かいざん)の理由や経緯は不明だが、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)のガヌス所長は、改竄はRUSADAの関与外で行われていたとし、「政府内にいる元選手らの権威を守るために治安当局が主導して実行したのではないか」と推察している。

 旧ソ連時代と変わらず、スポーツを国の威信を示す場だと位置付けてきた露政府の姿勢も、ロシアでドーピング問題が無くならない理由の一つとみられる。

 露政府は今年2月、オリンピックやパラリンピックの金メダリストやコーチらに対する報奨金を毎月3万2千ルーブル(約5万4千円)から5万2千ルーブルに引き上げた。優れた選手は尊敬と名声を受けられるロシアの社会的風潮とも相まって、一部に不正をしてでも結果を出そうとする選手やコーチ、競技団体がいたとしても不思議ではない。

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