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「気候危機」歯止めなるか 23日気候行動サミット 世論高まりも各国足並み乱れ

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気候行動サミットを主宰する国連のグレテス事務総長は、スウェーデンの環境活動家の少女、グレタ・トゥーンベリさんと握手を交わした=21日(ロイター)
気候行動サミットを主宰する国連のグレテス事務総長は、スウェーデンの環境活動家の少女、グレタ・トゥーンベリさんと握手を交わした=21日(ロイター)

 【ニューヨーク=上塚真由】世界各地で熱波や豪雨など自然災害や異常気象が深刻化する中、各国の首脳が地球温暖化対策を議論する「気候行動サミット」が23日、米ニューヨークの国連本部で開かれる。サミットを主宰する国連のグテレス事務総長は現状を「気候危機だ」と警告し、温暖化防止に向けた世論も高まっている。その一方、トランプ米大統領がサミット出席を見送るなど各国の足並みは乱れ、実質的な議論が深まるかは不透明だ。

 グテレス氏は21日に国連本部で行われた「若者気候サミット」で演説し、「自然災害が一層増え、最悪の結果をもたらしている。私たちの世代は地球を守ることに失敗した」と強い危機感を表明した。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、地球温暖化が今のペースで続くと、2040年前後に世界の平均気温が産業革命前より1・5度上昇する恐れがあり、自然災害や環境面のリスクが深刻になると指摘。すでに約1・2度上昇したとの推定もある。グテレス氏は温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が来年から本格運用されるのを前に、サミットで各国が具体的な対策を示すよう求めている。

 サミットでは60カ国以上の首脳・閣僚が演説し、温暖化防止策を説明する予定。環境問題への関心が高い世論に後押しされ、英国、フランスなどの欧州諸国は対策強化に前向きだが、パリ協定からの離脱を表明したトランプ氏はサミットを欠席。トランプ氏は環境保護規制を次々と撤廃して経済成長を優先する政策を取っており、欧州勢との隔たりは鮮明だ。

 世界最大の温室効果ガス排出国である中国からは王毅国務委員兼外相が出席し、再生可能エネルギーの拡大などをアピールするとみられる。だが、巨大経済圏構想「一帯一路」を進める中国は、東南アジアなどで二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電所への投資を続けており、厳しい目を向けられている。

 日本からは小泉進次郎環境相が出席するが演説の機会はない見通し。東日本大震災後に石炭火力の新増設計画が相次ぎ、「脱炭素」への姿勢が問われている。

 石炭産出が多いオーストラリアのモリソン首相は石炭産業を擁護する姿勢。アマゾン熱帯雨林の火災対策で欧州から批判を浴びるブラジルのボルソナロ大統領は、農地拡大や資源開発のため、森林伐採を加速させていると指摘される。

 前進しない温暖化対策の打開策として期待されているのが若者を中心とした世論の圧力だ。20日には世界各地で400万人超(主催者発表)が抗議活動に参加。その火付け役となったスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)もサミットに出席し、世界の指導者に具体的な行動を働きかける。

■今世紀終盤には最大約5度も

 地球温暖化に伴い、世界ではさまざまな気候変動が観測されている。

 気象庁や環境省によると、世界の平均気温は過去100年で0・73度上昇。1990年代半ば以降、高温となる年が多くなった。北極域の海氷面積(夏季)も、1979~2012年は10年当たり73万~107万平方キロの範囲で減少。北海道の約9~13倍に相当する広さだ。海面水位も2010年までの110年で年平均約1・7ミリ上昇し、1993年以降は約3・2ミリと倍近いペースという。

 2081~2100年の平均気温は、1986~2005年と比べ、最大4・8度の上昇が予測され、今世紀半ばまでに9月の北極域の海氷が、ほぼなくなる可能性が高いとされる。

 一方、陸地では砂漠化が進み、国連の調査によると、年間で九州と四国を合わせた面積を超える約6万平方キロが砂漠に。将来的に砂漠の面積は現在の3倍になると言われている。

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