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露反体制派に本格捜査 モスクワ市議選の与党苦戦で報復

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ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏(右)=2018年8月27日、モスクワ(AP)
ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏(右)=2018年8月27日、モスクワ(AP)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアの治安当局が反体制派指導者、ナワリヌイ氏の団体に対する本格的な捜査に乗り出した。今月8日に行われたモスクワ市議選(定数45)では、同氏らの抗議行動を受けて政権与党が苦戦を余儀なくされた。政権側は報復として、大規模な家宅捜索や資産凍結でナワリヌイ一派の締めつけを図っている。

 連邦捜査委員会と警察、国家親衛隊はこのほど、ナワリヌイ氏が主宰する「汚職との戦い基金」の事務所や関係者宅など、全国約40都市の200カ所以上を一斉捜索。パソコンなどの機器類を押収し、銀行口座を凍結した。資金洗浄容疑の捜査だと説明されている。

 露メディアや政治専門家の間では「モスクワ市議選のような事態が繰り返されるのを防ぐため、政権側がナワリヌイ氏の活動基盤の弱体化を狙っている」との見方が支配的だ。

 モスクワ市議選をめぐっては、選管が反体制派の候補者登録を拒否したことが問題化。ナワリヌイ氏が呼びかけた一連の抗議デモには計10万人超が参加したとみられ、2千人以上が治安当局に拘束された。ナワリヌイ氏はさらに、政権批判票の分散を防ぐため、各選挙区で最も当選可能性の高い非与党候補に票を投じる「賢い投票」を訴えた。

 開票の結果、プーチン政権の与党「統一ロシア」系の議席は改選前の38から25に減少。残る20議席は体制内野党の共産党や「公正ロシア」、リベラル政党「ヤブロコ」が獲得した。政権支持率の低下に加え、「賢い投票」戦略が野党躍進につながった。

 ナワリヌイ氏は「基金」を通じた高官の汚職告発で知られ、近年は地方にも支部組織を広げてきた。当局の大規模な捜査が逆に、政権への反発を招く可能性も指摘されている。

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