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離脱?残留?党方針決まるか 英労働党大会

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 【ロンドン=板東和正】英最大野党の労働党は21日から南部ブライトンで党大会を開催する。大会では、欧州連合(EU)残留と離脱のどちらを党の方針として定めるかが焦点だ。同党は穏健離脱派と残留派に分裂しており、離脱問題での意見集約はできていない。労働党は次期総選挙で与党・保守党からの政権奪還を狙っており、大会は選挙の争点になる離脱問題の方針を決めるための「正念場」になりそうだ。

 英メディアによると、25日まで開催される党大会には、党員ら約1万3千人が出席。経済対策や医療など80以上の議題を協議する予定だが「党員は離脱問題の議論に集中する」(同党支持者)とみられる。

 労働党が離脱問題の議論を急ぐのは、11月以降の解散総選挙を想定しているからだ。

 英国では9日、10月末の離脱期限延期をEUに申請するよう、ジョンソン首相に義務づける法律が野党主導で成立した。ジョンソン氏は、早期の総選挙を行って与党で下院過半数を獲得し、離脱延期法の撤回を図ろうと画策。労働党は総選挙の前倒し実施を拒否してきた。

 しかし、離脱期限の延期が実現すれば、10月末に離脱する公約を果たせなかったジョンソン氏の支持率が下降し、政権を奪うチャンスは広がる。労働党は離脱延期が確定した場合、11月以降に内閣不信任案を提出するなどし、総選挙に持ち込むことを検討している。

 労働党では、離脱問題をめぐる党の方針がなお定まっていない。

 一部の労働党議員は残留を訴える「自由民主党」など他の野党と連携するために労働党の方針を「残留に一本化すべきだ」と主張する。ジョンソン氏の支持率が低下しても、労働党が単独で保守党に勝利するのは厳しいとみられるためだ。

 英紙フィナンシャル・タイムズの委託で英調査会社が8月末から9月1日に行った世論調査では、ジョンソン氏の支持率がコービン労働党党首の約2倍だった。

 その半面、労働党支持者が多い北部サンダーランドや中部バーミンガムでは住民の過半数近くが離脱派とされる。経済への影響が懸念される「合意なき離脱」に反対しつつ、EUとの関係を保った穏健離脱を重視する議員も少なくない。

 コービン氏は現時点で離脱問題の方針について明言を避けており、党内の「分裂」を解消できるかは不透明だ。

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