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英の離脱問題 EU、基本方針崩さず 代替策提案にも懐疑的

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 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)は英国の「合意なき離脱」を回避するため、ぎりぎりまで英側と協議を続ける姿勢を見せている。ただ、従来の基本方針は崩しておらず、焦点のアイルランド国境管理問題をめぐっても、英国が有効な代替策を示せるかどうか、実際には懐疑的にみているようだ。

 EUのバルニエ首席交渉官は8月末、英紙とのインタビューで「合意なき離脱を回避できると楽観はしていないが、全員が(回避する)決意を持って取り組みを続けるべきだ」と強調。同時に離脱協定案のうち、国境問題の解決まで英国が関税同盟にとどまるとした「安全策」は「提供できる最大限だ」とも主張した。

 英国側では8月下旬にメルケル独首相がジョンソン英首相に安全策の代替策の提案を求めたことなどを受け、EUがこれまでより柔軟になるとの期待が一部で出ている。だが、メルケル氏は協定案再交渉の可能性などに踏み込んでおらず、「(立場は)1ミリも動いていない」(周辺関係者)との見方は強い。

 EUでは従来、安全策が不要になるよう、離脱後の将来関係に関する交渉で代替策の協議を急ぐ姿勢を示し、その確約などのため、協定案に付随する「政治宣言」の修正に応じる余地を残してきた。バルニエ氏も英紙で、英国が示す代替案の本格検討は協定案批准後になるとの見方を示した。

 そもそも安全策をめぐってはさまざまな選択肢が議論されてきただけに、英側の提案が「すぐに突破口になるとは期待していない」(EU外交筋)との声も上がる。EUが英国の提案に耳を傾けるのは、合意なき離脱となった場合に責任を押しつけられるのを「避けるため」(EU当局者)といった事情もあるとロイター通信は伝えている。

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