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「長期戦に臨む中国」 米中貿易摩擦で日本総研の関辰一主任研究員

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日本総合研究所主任研究員の関辰一氏
日本総合研究所主任研究員の関辰一氏

 米中両国の関税をめぐる制裁と報復の応酬が激化し、双方の経済に悪影響を与えているのは間違いない。中国では、対米輸出の落ち込みで企業が収益悪化のリスクにさらされ、株価低迷や人民元安など金融市場にも影響が出ている。

 だが中国側はこうした経済のマイナス影響が事前の想定よりも大きくなく、コントロール可能なものだとみているのではないか。足元の景気後退も貿易摩擦より、リーマン・ショック後の債務拡大に歯止めをかけるための投資抑制策の影響が大きいと分析している。

 むしろ中国側が懸念しているのは、米側の要求に応じて産業補助金撤廃などの構造改革を行うことにより生じるリスクだ。補助金を分配するのは政権の特権であり、性急に国家資本主義の体制から脱却すれば政権の不安定化につながることが警戒されている。

 現時点で、中国側は米国との貿易協議にそこまで前向きになっていないようだ。米中間で落としどころを見つけるのは難しく、中国側はさらなる追加関税も覚悟で長期戦に臨んでいる。

 米中両国が置かれた状況を見れば長期的に対立関係が続く可能性は高く、今後は関税に限らずさまざまな分野へと対立が広がる恐れがある。米国が行っているような事実上の制裁対象企業リスト「エンティティーリスト」を中国側でも作るという動きが伝えられているほか、通貨・為替分野にも飛び火することが懸念される。

(聞き手 三塚聖平)

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