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英首相、アイルランド国境問題の解決策導き出せるか 合意なき離脱のリスク高まる

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ジョンソン英首相(ゲッティ=共同)
ジョンソン英首相(ゲッティ=共同)

 【ロンドン=板東和正】英国は、欧州連合(EU)離脱で懸案になっているアイルランド国境問題の解決策を探す30日間の「猶予」を与えられた。ジョンソン政権が解決策を示すことができれば、アイルランドとの国境管理問題が解決されるまで英国が一時的にEUの関税同盟にとどまるとした「安全策」を盛り込んだ現行の離脱協定案を変更する道が開ける。ただ、限られた時間内にEUが納得する妙案を導き出すのは困難とみられており、10月末に経済が混乱に陥る「合意なき離脱」を迎えるリスクは依然高い。

 「30日という締め切りは大歓迎だ」。ジョンソン英首相は21日、ドイツのメルケル首相から求められた期間中に解決策を出すことに前向きな姿勢を示した。だが、英与党・保守党の党員は「EUが認める解決策を示すのは難しい」と話す。アイルランドの国境問題という難題があるからだ。

 英領北アイルランドでは過去にアイルランドへの併合を唱える少数派カトリックと、英国統治の維持を主張する多数派プロテスタントとの紛争があった。英領北アイルランドとアイルランドの国境には現在、検問所や税関が存在しないが、復活すればカトリックの過激派などによるテロの標的になる恐れがある。

 英国とEUは国境開放を維持することで一致したが、国境を管理しないでいかに通関手続きを行うのか、具体策が見いだせなかった。英国のメイ前首相とEUは安全策を盛り込んだ協定案で合意したが、ジョンソン氏は安全策があっては「離脱の意味をなさない」と削除を求めてきた。

 ジョンソン氏は円満な離脱後2020年末まで現状の経済関係が続く「移行期間」中に国境問題を解決する方針を協定案に盛り込み、安全策を削除する案を検討している。

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