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「宇宙大国」ロシアは凋落 米中対抗の野心も計画進まず

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ソユーズロケット=2月27日、フランス領ギアナのギアナ宇宙センター(アリアンスペース提供)
ソユーズロケット=2月27日、フランス領ギアナのギアナ宇宙センター(アリアンスペース提供)

 宇宙を舞台とした米中の競争が激化する中、往年の宇宙大国ロシアの凋落(ちょうらく)が目立つ。プーチン露政権は米中に対抗しようと躍起で、新型ロケットの開発や極東での宇宙基地建設に意欲を見せる。だが、人材の劣化や予算の不足、国営企業による非効率な事業運営と問題が山積し、野心的計画の進捗(しんちょく)は思わしくない。

 米スペースシャトルが2011年に退役して以降、地球と国際宇宙ステーション(ISS)を往復する手段は露宇宙船「ソユーズ」だけとなった。安定感を誇ってきたソユーズだが、ここにきてその信頼が揺らぎつつある。

 昨年8月にはISSに接続していたソユーズの穴が原因でISSの気圧低下が発生。同年10月に行われたソユーズ打ち上げも組み立てミスが原因で失敗し、米露の飛行士2人が緊急カプセルで脱出した。米スペースX社は有人型ドラゴン宇宙船の実用化に成功しつつあり、ソユーズの独壇場は終わりに近づいている。

 1950~60年代、旧ソ連は世界に先駆けて人工衛星「スプートニク」の打ち上げやガガーリンによる有人宇宙飛行に成功。初の有人月面着陸(69年)では米国の後塵(こうじん)を拝したが、71年には世界初の宇宙ステーション「サリュート1」の打ち上げを実現した。

 しかし、91年のソ連崩壊を境にロシアの宇宙開発は大きく停滞する。90年代には国家資金が宇宙分野に回らず、人材も大量に流出。2000年発足のプーチン政権は宇宙大国再興を掲げたが、明るい展望はない。

 米科学者団体によると、19年3月末時点で稼働中の人工衛星は米国901基、中国299基に対し、ロシアは153基。昨年1月~12月中旬のロケット発射成功回数も中国の35回、米国の30回に対し、ロシアは15回にとどまった。

 ロシアは現在、ソ連崩壊後で初の純国産ロケット「アンガラ」の開発を進めている。汎用(はんよう)ロケットモジュール(URM)を組み合わせ、軽量級から重量級まで各種のロケットを造る構想だ。ただ、技術不足から試験発射が2度行われたのみで、23年までの有人飛行という目標にはほど遠い。

 極東アムール州では12年から、アンガラの射場設備も備えたボストーチヌイ宇宙基地の建設が進む。だが、給与未払いや建設費の横領、作業員のストライキと醜聞続きで、やはり計画は大幅に遅れている。(モスクワ 小野田雄一)

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