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所得税なし、子供3人で多額補助 東欧、若手確保に優遇次々

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 【ベルリン=宮下日出男】東欧諸国が国の将来を担う若者の確保のため、財政上の優遇策に次々と乗り出した。ポーランドは若者に対して所得税を免除し、ハンガリーは3人目の子供を産んだ夫婦に多額の補助金を出す制度を導入。背景には若者がよりよい条件の欧州諸国に流れ、労働力が不足している事情がある。

 ポーランドの所得税免除は1日に施行された。対象は26歳未満で、年間所得が約8万5千ズロチ(約235万円)未満なら課税されない。この非課税の上限額は国内平均所得(約6万ズロチ)を上回る水準で、対象者は200万人に上るとみられる。

 ポーランドでは2004年の欧州連合(EU)加盟以降の15年間で、首都ワルシャワの人口に匹敵する約150万人が国を離れ、他のEU加盟国に移ったという。モラウィエツキ首相は「さらなる損失を防ぐ」と述べ、若者を国内に引き留めたい考えを示す。

 EU内では加盟国の国民は仕事や勉強のため、自由に他の加盟国に移住することができる。このため東欧では、多くの若者が給与面などよりよい就労条件を求め、英国やドイツなどに流出することが問題化し、対処が求められていた。

 現地の報道では、クロアチア政府もポーランド同様に若者に対する所得税免税の導入を目指している。

 ハンガリーでは7月、家族支援として新たな補助金制度を開始。利子や使途の制限なしで1千万フォリント(約360万円)を融資し、3人目の子供をもうければ返済が不要となる仕組みで、1カ月間で数千世帯が申請したという。

 ただ、いずれの政策も財政負担となる一方、その効果を疑問視する声は少なくない。ポーランドとハンガリーはそれぞれ10月に総選挙と地方選挙も控え、政権による支持固めの「バラマキ」との懐疑的な見方もくすぶっている。

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