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定まらぬ米中貿易協議「再出発」のスタートライン 丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリスト

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丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリスト(三塚聖平撮影)
丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリスト(三塚聖平撮影)

 中国に対する制裁関税を9月1日に発動する方針をトランプ米大統領が1日に表明した。米中貿易協議の現状や見通しについて、丸紅経済研究所の李雪連シニア・アナリストに聞いた。

 上海での米中閣僚級協議後、中国商務省は協議結果について積極的な評価を強調しており、トランプ米大統領が「第4弾」の制裁関税を課す考えを表明したことは中国側にとって全くの想定外だったとみられる。

 6月末の米中首脳会談で貿易協議が再開したものの、どこから議論を始めるかという「再出発のスタートライン」を定められずにいるのが現状だ。双方が自らの国益にとってより有利なものにする必要があり、米側としては今後の協議に向けた揺さぶりの意図があったのではないか。

 中国側としても、閣僚級協議に対米タカ派とみられている鍾山商務相を初めて送り込むなど先手を打っている。強い姿勢で協議に臨んでいるとみられ、交渉団から協議の報告を受けたトランプ氏が不満を持った可能性がある。

 今後、米中両政府は9月にワシントンで開催予定の閣僚級協議に向け、緊密な接触を続けることになるだろう。米政府が9月1日に制裁関税を発動すれば閣僚級協議の開催が難しくなるため、これまでのように発動時期が遅れる可能性もあり得る。

 実際に制裁が発動されれば現在も悪化している中国経済への影響は大きく、今年の国内総生産(GDP)成長率の政府目標「6・0~6・5%」の達成はかなり難しくなる。第4弾の対象にはスマートフォンなど日本企業に関わりが深いものが含まれており、サプライチェーン(部品供給網)に混乱も生じるとみられる。(聞き手 三塚聖平)

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