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日中首脳会談 中国、対米対抗へ日本に接近 課題解決は置き去り

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 G20サミットに出席するため関西空港に到着した中国の習近平国家主席=27日午後(代表撮影)
 G20サミットに出席するため関西空港に到着した中国の習近平国家主席=27日午後(代表撮影)

 中国の習近平指導部が日本への接近を図るのは、トランプ米政権の対中封じ込め政策に対抗し、「反保護主義」を旗印に米国から通商圧力を受ける周辺国を中国側に取り込むためだ。ただ、関係改善のかけ声が先行する中で、東シナ海問題など日中間に横たわる具体的な課題の解決に向けた道筋は見えていない。

 中国は20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の全体会議で米国との対決色は控えるとみられるが、個別の首脳会談では米国を念頭に「一国主義」「保護主義」に反対する声の結集を図る。「中国外交は、日本など周辺国との関係を米国がどのように見るかを優先的に考えている」と日中外交筋は指摘する。

 米国が、中国の政治体制に焦点を当てて国際社会で封じ込めを図っているのに対し、中国は先進国との間でハイテク技術などの経済的な結びつきを強めようとしている。通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品が米国の要求通りに日本などで排除されるかどうかは、中国のこうした戦略の分水嶺(ぶんすいれい)となる。

 また中国当局は習氏の国賓としての再訪日に向け、日本国民の対中感情の動向にも神経をとがらせている。民主化運動が武力弾圧された天安門事件から30年を迎えた今月、中国当局は日本メディアの報道ぶりに不満を募らせ、一部の社に直接クレームを伝えた。

 日本の対中感情の改善には日中が抱える火種の解決が不可欠だが、進展の兆しは少ない。河野太郎外相は4月中旬の王毅国務委員兼外相との会談で「東シナ海における中国の前向きな行動」を求め、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の活動などに自制を求めが、中国は6月中旬まで尖閣の接続水域での公船の航行を過去最長の64日間続ける“行動”で応じた。

 さらに中国当局がスパイ活動に関与したなどとして拘束、起訴した日本人9人の早期解放を日本政府は訴えてきたが、中国側は8人に懲役15~5年の実刑判決を言い渡す厳しい措置をとった。うち4人は5月に相次いで判決が出ており、日中首脳会談を控えて懸案を“処理”したとの見方も出ている。(西見由章)

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