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イラン制裁、対象700以上 「史上最強」米が再発動

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イラン核合意をめぐる各国の立場
イラン核合意をめぐる各国の立場

 【ワシントン=加納宏幸、黒瀬悦成】トランプ米政権は5日(日本時間同日午後)、イラン核合意からの離脱表明に伴い、原油、イラン中央銀行や金融機関、海運を対象にした制裁を再発動した。8月の自動車部門などへの制裁再開に続く第2弾で、オバマ前政権が2015年の核合意に伴い解除した制裁が復活した。トランプ大統領は4日、「史上最強の制裁だ」と述べ、イランへの圧力を強めると強調した。

 米政府はイラン産原油の輸入国に対し、再発動前日の4日までに輸入量をゼロにするよう要請。ただ、ポンペオ国務長官、ムニューシン財務長官は5日に記者会見し、最大の輸入国・中国とインド、韓国、トルコ、イタリア、日本、ギリシャ、台湾の8カ国・地域に関し、原油価格上昇を抑えるため適用除外にすると発表した。8カ国・地域は180日間をめどに一定量の輸入が認められた。

 ポンペオ氏は、「イラン産原油の輸入をゼロにするよう引き続き各国と交渉する」と強調した。

 財務省は700以上の個人、団体、船舶、航空機を制裁対象に指定。原油を含めて外国企業との取引をできなくすることで、イランの政権が核・ミサイル開発や中東・アフリカでの武装勢力への支援に使う資金を締め上げる。イラン原子力庁も対象に指定された。食品や医薬品などの取引は制裁対象から除外された。

 一方、ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は5日、FOXニュースに対し、「オバマ前政権下での制裁の水準では不十分だ」とし、「さらなる対イラン制裁を発動する予定だ」と表明した。

 イラン核合意では、イランによる核開発制限の代わりに核合意当事国である米英仏独中露の6カ国が制裁を解除したが、トランプ氏は5月、「史上最悪の合意」だとして離脱を表明。イランと敵対するイスラエルやサウジアラビアは歓迎したが、米国以外の当事国や日本は中東不安定化などへの懸念から、米国に核合意の維持を求めてきた。

 イラン核合意と制裁 2002年、イランによる秘密裏の核開発計画が発覚。米国や英仏独中露はイランに原油禁輸などの制裁を科した。15年にイランが核開発を制限する代わりに米欧側が制裁の一部を解除することで合意したが、トランプ米政権は18年、合意ではイラン核保有の懸念は拭えないとして合意からの離脱と制裁再開を決定。11月5日に再発動した制裁は8月の制裁に続き2弾目。イラン国営企業からの原油、石油製品購入、イランの中央銀行や指定銀行と外国金融機関による代金決済取引など、イラン貿易にとって重要な活動が含まれる。

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