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【激動・朝鮮半島】米を恐れる金正恩朝鮮労働党委員長、トランプ米大統領との会談急ぐ 「圧力が効果」を自ら露呈

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金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信が9日報じた(朝鮮中央通信=朝鮮通信)
金正恩朝鮮労働党委員長。朝鮮中央通信が9日報じた(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 【ソウル=名村隆寛】南北首脳会談に加え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領との早期会談の意思も同時に表明していたことが判明した。想像以上に金正恩氏は米国との対話を急いでいる。トランプ氏との直談判を選択するほかないほど、米国の制裁や軍事圧力に危機感を募らせているようだ。

 「米国の老いぼれを火で罰する」「米本土全域が核打撃射程圏内にある」。米国とトランプ氏を露骨に罵倒し続けていた金正恩氏だったが、心中では米国を恐れていたことを自らの対話呼びかけで露呈させた。

 北朝鮮の核・ミサイル挑発に対し、米韓は過去最大規模の合同軍事演習に加え、日本を交えた訓練で金正恩政権に軍事的圧力を加えてきた。北朝鮮との軍事境界線近くまで爆撃機を飛行させ、金正恩氏ら北朝鮮首脳部を狙った「斬首作戦」もちらつかせた。

 米国の軍事的圧迫が目の前で展開される間、北朝鮮は驚くほど挑発を控え、米韓の軍事動向を注視し続けた。経済制裁に加え、「北朝鮮の完全な破壊」までも国連の場で明言したトランプ氏に対し、金正恩氏は焦りを覚えたようだ。

 ペンス米副大統領は2月に平昌五輪の開会式出席のため訪韓した際、北朝鮮への「最大の圧迫」を強調すると同時に金正恩氏の妹、金与正氏らを徹底的に無視した。そんな米国の意志の強さが金正恩氏に伝えられたことは確実だ。金正恩氏は相当困っているのだ。

 米国中心の経済制裁が体制維持に影響を及ぼすほど効いていることもうかがえる。北朝鮮は国際社会警戒のなか、海上で石油などの物資を移し替えて密輸する「瀬取り」をせざるを得ない状況に追い込まれている。トランプ氏が首脳会談の意向を示したことで、金正恩氏は当面の危機は回避できるとみて、直接交渉で軍事圧力や経済制裁から逃れる考えかもしれない。

 金正恩氏は非核化の意思を表明した。だが、これまでの国際社会を欺いてきたように、抜け道を探せば核廃棄の完璧な検証は不可能だ。実行が伴わねば米国は納得しない。トランプ氏らは「もう北朝鮮にはだまされない」と、裏切られ続けた過去の米政権の対北政策とは一線を画している。

 対米対話への急ぎぶりからは、金正恩氏がこのような米国の強硬姿勢を認識している様子もうかがえる。何よりも、金正恩氏は今回、北朝鮮には融和より圧力がより効果を発揮することを、自ら世界に示した。

 効果がある以上、日米韓首脳が言ったように、核・ミサイル問題で進展がない限り強い圧力は続く。トランプ氏がかつて明言した「軍事的な選択肢」も消えてはいない。金正恩自身それを忘れていないはずだ。

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