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【中国全人代】習氏独裁強化へ「逆走」改革 “偉大な指導者”演出…批判封殺

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中国全人代に臨む(左から)習近平国家主席、王岐山氏、李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代に臨む(左から)習近平国家主席、王岐山氏、李克強首相=5日、北京の人民大会堂(共同)

 【北京=藤本欣也、西見由章】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)が5日開幕した。会期中に可決される「国家主席の任期撤廃」には「時代錯誤だ」との批判が依然として強い。しかしこの日の全人代では李克強首相が習近平国家主席を何度も礼賛。中国共産党は習氏の長期政権をにらんで「偉大な指導者」を演出し、“逆走改革”への批判を封殺する構えだ。

 「習近平同志を核心とする党中央の力強い指導のたまものであり、習近平『思想』の科学的な導きのたまものであった」

 昨年10月の党大会で「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」が党規約に盛り込まれてから初の全人代。李氏は活動報告で中国の「改革と発展」の成果に関し、習氏の業績として強調することに余念がなかった。

 国営テレビも工夫を凝らしたようだ。香港紙(電子版)によると、習氏のアップ映像がこれまでより多く放映された。他の最高指導部メンバー、政治局常務委員との差は歴然だった。

 国家主席の3選禁止規定は、改革開放を進めた●(=登におおざと)小平時代の1982年公布の憲法に、政治局常務委員による集団指導体制の制度的な保障として盛り込んだ。建国の父、毛沢東への権力集中と個人崇拝の反省からだ。

 国家主席の任期撤廃に関しては改革派学者らが「歴史の逆走だ」と批判している。ネット上でも車が逆走する映像がしばしばアップされる。

 李氏は報告の締めくくりで「習近平同志を核心とする党中央に一層緊密に団結」するよう呼びかけた。ただ、習氏への忠誠が繰り返し強調されるのは、党内に「両面派(面従腹背者)」が幅広く存在していることの裏返しともいえる。

 活動報告に続いて行われた改憲案の報告では、国家主席の任期撤廃をめぐり「習近平同志を核心とする党中央の権威を維持するのに有益だ」との説明に、約3千人の会場からはまるで異論を封じ込めるような大きな拍手が起きた。

 国家副主席に就任するとみられている習氏の盟友、王岐山・前政治局常務委員はこの日、最高指導部メンバーらとともにひな壇の中央に近い席に座り、存在感を見せつけた。

 一方で、一時は習氏の有力後継候補と目されていた胡春華、陳敏爾両政治局員はひな壇で全く目立たず対照的だった。

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