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インドで広がる「反クリスマス」 ヒンズー至上主義の高まりで摩擦拡大

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インドで広がる「反クリスマス」 ヒンズー至上主義の高まりで摩擦拡大

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選挙での勝利を祝って花火を燃やすインド人民党ノ支持者=12月、ニューデリー(AP) 1/1枚

 【ニューデリー=森浩】ヒンズー教徒が多数を占めるインドで、キリスト教徒らによるクリスマス行事に反発する動きが相次いでいる。「改宗を迫っている」との告発でキリスト教の神父らが逮捕される事態に発展。モディ政権誕生以降、インド国内ではヒンズー至上主義が高まりを見せており、宗教的な摩擦が拡大している。

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 中部マディヤプラデシュ州で、地元警察は14日、クリスマスの聖歌を歌っていた神父や神学生ら32人を拘束した。警察署に勾留されている神父らの様子を警察署に見に行った8人も逮捕された。翌日までに全員釈放されたが、警察署の外に置いてあった神父の乗用車も放火されたという。

 地元住民から、神父らが住民に強制的に改宗やイエス・キリストへの崇拝を迫ったとして「反改宗法」に基づく告発が出ていた。地元紙インディアン・エクスプレスなどによると、告発者はモディ首相率いる国政与党インド人民党(BJP)と関係が深いヒンズー至上主義団体「バジュラン・ダル」の一員だという。地元カトリック団体は「恒例の聖歌を歌っていただけだ」と反発している。

 北部ウッタルプラデシュ州では複数の学校に対してクリスマス行事の中止を要求する手紙が届き、「クリスマスを祝うなら自らの責任で」と脅迫めいた文言が記されていた。西部ラジャスタン州でもクリスマス行事が妨害された。

 ヒンズー至上主義の高まりを受けて、インド各地では少数派宗教への弾圧が相次いでおり、牛を神聖視するヒンズー教徒が牛肉を販売したイスラム教徒を襲撃する事件も相次いだ。インドカトリック司教協議会会長のバーセリオス・クレーミス枢機卿は「インドは宗教的価値観に基づいて分断されている。民主主義国家としてよくない状況だ」と事態を憂慮している。