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【古森義久の緯度経度】発端は米民主党? ロシア疑惑の風向きが変わってきた

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発端は米民主党? ロシア疑惑の風向きが変わってきた

古森義久の緯度経度更新
ドイツ・ハンブルクでの初会談で言葉を交わすトランプ米大統領(右)とロシアのプーチン大統領(タス=共同) 1/1枚

 米国ではバージニア、ニュージャージー両州知事選で民主党候補が勝ち、共和党トランプ政権への逆風が強まった。ところが同政権を当初から揺さぶってきた「ロシア疑惑」に関しては意外な展開があった。

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 疑惑の発端といえる秘密文書が実は民主党側のヒラリー・クリントン陣営などの委託で作成されていたことが判明したのだ。しかも内容には虚偽が多いという。

 同文書はイギリス政府諜報機関の元工作員のクリス・スティール氏によって書かれ、「スティール文書」とも呼ばれてきた。

 その内容はトランプ氏がモスクワのホテルで売春婦と乱交や放尿という騒ぎをした光景をロシア政府機関に記録され、脅されてクリントン候補打倒のための不当選挙操作をロシア側と共謀して実行したという骨子だった。トランプ選対幹部がロシア政府関係者とチェコのプラハで密会し、秘密協力を誓ったとの記述もあった。

 このスティール文書は大統領選挙中の昨年夏から概要がうわさされたが、トランプ氏の大統領就任直前の1月上旬にネットメディアの「バズフィード」やCNNテレビが合計35ページの同文書のほぼ全容を事実のような扱いで報道した。

 トランプ氏はその直後の記者会見でCNN報道を「フェイク(虚偽)」と非難し、怒りをあらわにして、CNN記者を糾弾した。ここからトランプ大統領の米国大手メディアとの正面衝突が始まり、ロシア疑惑も大きく広がった。

 ただし同文書の内容に対しては米英両国の情報機関が「根拠がない」と言明し、トランプ氏も同氏選対幹部もロシア側との接触を指摘された時期にはモスクワやプラハにはいなかった証拠を提示した。

 だがトランプ陣営への疑惑はなお広まり、文書自体についてもワシントンの政治関連の調査企業「フュージョンGPS」がスティール氏を雇って作成したことしかわからず、謎を深めていた。

 ところが米国連邦議会でロシア疑惑を調べている下院情報委員会が同GPS社代表グレン・シンプソン氏を召喚状を出して尋問し、同社の銀行口座記録を調べたところ、10月下旬、以下の結果が判明した。

 ▽スティール文書はGPS社が昨年4月にクリントン選対と民主党全国委員会に雇われたパーキンス・コール法律事務所から委託され、作成した。トランプ氏の弱点や欠点をあばくことが目的だった。