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サウジ政府が王子ら数十人拘束 反皇太子派の一掃に乗り出した可能性

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サウジ政府が王子ら数十人拘束 反皇太子派の一掃に乗り出した可能性

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サウジアラビア政府に身柄を拘束されたワリード王子=2012年5月(ロイター) 1/1枚

 【カイロ=佐藤貴生】サウジアラビア政府は5日までに、サウド家の王子11人のほか現職閣僚4人を含む数十人の身柄を拘束した。サウジ資本の衛星テレビ、アルアラビーヤが伝えた。拘束の理由は明らかではないが、サルマン国王は4日、実子のムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)をトップとする「反汚職委員会」を設置していた。同皇太子は6月に昇格したばかりで、“国王世襲”の動きに反発する勢力の一掃に乗り出した可能性がある。

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 ロイター通信がサウジ政府当局者の情報として伝えたところでは、拘束されたのは、国家警備相のムトイブ王子やファキーフ経済企画相ら。閣僚経験者も数十人拘束されたという。ムトイブ王子はアブドラ前国王の息子で、一時は国王候補の一人と目されていた。

 また、ツイッターやアップルのほか、大手メディアなどに幅広く投資している「キングダム・ホールディング」を率いるワリード・ビン・タラール王子も拘束されており、ビジネス界にも大きな影響を与えそうだ。

 欧米メディアによると、サウジで近年、これほどの大量拘束が行われた事例はない。プライベートジェット機用の空港が閉鎖されたとの情報もあり、王族や富豪らの出国を禁じた可能性も指摘されている。

 ムハンマド皇太子は最近、「穏健なイスラム」への回帰を目指すと表明し、「すぐに過激主義の残存勢力を根絶する」と表明していた。

 国防相を兼務する皇太子は経済・社会問題も担当し、石油依存からの脱却を図る経済改革案「ビジョン2030」も主導。イエメンへの軍事介入やカタールとの断交でも影響力を発揮したとされ、強気の外交を展開してきた。今後はサウジ国内でも反対勢力の締め付けが強まりそうだ。