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【習独裁の幕開け】台湾への武力進攻も視野に“習家軍”に様変わりした司令官 暗躍する中国スパイ

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台湾への武力進攻も視野に“習家軍”に様変わりした司令官 暗躍する中国スパイ

習独裁の幕開け更新
習主席は、台湾侵攻も視野に、人民解放軍の強化を進めているようだ(AP) 1/1枚

 第19回中国共産党大会の初日、習近平国家主席が行った長い演説には人民解放軍に関する内容もあった。2020年までに機械化や情報化を進展させ、戦略的な能力を大幅に引き上げ、建国から100年を迎える今世紀半ばに「世界一流の軍隊を作り上げる」と宣言した。(10月25日掲載・夕刊フジ)

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 実のところ、同大会前までに習氏が心血を注いできたのが「軍幹部の入れ替え」である。

 習氏と関係が深い旧南京軍区(=管轄区域をそのまま踏襲して、昨年2月から『東部戦区』)出身者が、次々と軍幹部に昇格した。陸軍、海軍、空軍、ロケット軍、戦略支援部隊の司令官は、すべて“習家軍”(=習一派の軍)に様変わりした。

 これこそが、新たな懸念である。

 なぜなら長年、台湾海峡と対峙(たいじ)してきたのが旧南京軍区だからだ。胡錦濤政権時代の05年、中国は国内法の「反国家分裂法」を制定した。統一の見込みが立たない現実に対応し、「統一促進」を中心とした対台湾政策を、「独立阻止」へと転換したのだ。

 そして、「平和的統一」が不可能な場合の武力侵攻を想定し、対台湾軍事作戦の実戦訓練や、台湾侵攻時に必要な新型兵器の開発、陸海空軍合同の軍事作戦の策定-などに取り組んできたのが旧南京軍区だ。沖縄県・尖閣諸島や南西諸島の防衛に、直接的に影響を与える部隊でもある。

 習氏は、自身が国家主席の時代に、是が非でも「台湾との統一」を目指しているはずだ。党大会の演説でも、「祖国統一を推進する」としたうえで、いわゆる「1つの中国」の原則を堅持し、平和的な発展を進め、経済協力と文化交流を深める考えを示した。

 だが、「平和的」といった表現こそが、共産党の常套(じょうとう)句であり、まやかしだ。軍部を主体とする強硬派は、一貫して「武力による台湾奪取」を主張している。しかも、以前から中国のスパイは、台湾で暗躍している。昨年、民主進歩党(民進党)の蔡英文政権が誕生したことで、スパイ工作が強化されているとの話も伝え漏れる。

 中国人留学生が国家安全法違反の罪で逮捕され、民進党の呂秀蓮元副総統のSPも中国政府に操られたスパイの容疑で逮捕されたことも、3月に報じられた。

 「スパイ工作は、偽装結婚を含め、台湾の隅々にまで浸透している。特に、国防や軍事、情報などの政府機関には相当、刺さりこんでいる」と有識者の1人は危機感を募らせる。

 台湾国防部(国防省)が今月9日に発表した防衛白書によると、中国は台湾を侵攻する能力を20年までに備えるという。また、元米国防総省高官で、民間のシンクタンク「プロジェクト2049研究所」のイアン・イーストン研究員は、人民解放軍が20年までに台湾への武力侵攻を計画していると指摘する書籍『中国侵略の脅威』を、今月発表した。

 朝鮮半島のみならず、日本とその周辺は一触即発、有事であることは間違いない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)、『中国・中国人の品性』(ワック)など。