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【中国共産党大会】「今世紀中盤に世界一流の軍隊」 習氏の権力掌握は道半ば

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「今世紀中盤に世界一流の軍隊」 習氏の権力掌握は道半ば

中国共産党大会更新
第19回中国共産党大会で活動報告を終え、笑顔の習近平総書記(中央)。右隣は江沢民元総書記、左隣は胡錦濤前総書記=18日、北京の人民大会堂(共同) 1/1枚

 【北京=西見由章】中国共産党の習近平総書記(国家主席)は18日開幕した党大会での政治報告で、今世紀半ばごろまでに「世界一流の軍隊」を建設する長期目標を示し、米軍に比肩する軍事力の獲得を目指す姿勢をにじませた。習氏は人民解放軍トップの中央軍事委員会主席として「強軍の夢」実現を掲げ、大胆な機構改革と人事刷新を進めてきた。軍内での権力掌握は「道半ば」だが、軍拡路線は一層加速されそうだ。

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 習氏は政治報告で、過去5年間で国防と軍隊の改革に「歴史的な前進」があったと総括。今後は2020年までに軍隊の機械化と情報化を進め、35年には「国防と軍隊の現代化」を実現する考えを示した。

 習氏が“リストラ”の標的としたのは陸軍だ。15年末から実施した軍の機構改革では、陸軍を中心とする地域別の7つの「軍区」を5戦区に改編。一段上の存在だった陸軍を海空軍と同列に位置付ける統合作戦指揮体制を導入し、総参謀部などの独立性が高かった4総部を解体して中央軍事委直属の15部局に再編した。

 こうした改革は、中央軍事委への権限集中を進めるとともに、資金や人的資源を海空軍の海洋進出やサイバー作戦、宇宙開発などに振り向ける狙いもある。

 15年11月に開かれた中央軍事委改革工作会議では、16年に軍の機構改革に一定のめどをつけ、17~20年に改革の「調整」を行う方針を決定した。このスケジュールに沿うかのように習氏は党大会直前、軍中枢人事の刷新を矢継ぎ早に打ち出した。胡錦濤前総書記に近い房峰輝前統合参謀部参謀長を更迭して胡、江沢民政権で不遇をかこった李作成・陸軍司令官を参謀長に抜擢するなど主要ポストを習派の軍人で固めている。

 一方、笹川平和財団の小原凡司上席研究員は「習氏自身は軍内の権力掌握がまだ十分ではないと認識している」と分析。今年7月末に内モンゴル自治区で建軍90周年記念の軍事パレードや閲兵式が行われたのは「だれが人民解放軍のボスなのかを示す必要があったため」と指摘する。