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中国、着々とASEAN切り崩し 「南シナ海」封じへ外交攻勢 タイ「中国の努力支持」

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中国、着々とASEAN切り崩し 「南シナ海」封じへ外交攻勢 タイ「中国の努力支持」

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 【ビエンチャン=吉村英輝】中国の李克強首相は7日、訪問先のラオスで、東南アジア諸国連合(ASEAN)と首脳会議を行った。李氏は、両者の対話関係樹立25周年という節目を利用し、各加盟国との経済と友好関係の強化を強調。南シナ海問題に焦点が当たる中、親中派のカンボジアなど使ってASEANの切り崩しを進め、中国への批判拡大を食い止めている。

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 李氏はASEANとの首脳会議の冒頭、「地域の平和・安定と繁栄・発展を努力して促進していきたい」と発言。また、米国に会談を拒否されたフィリピンのドゥテルテ大統領に歩み寄って握手を交わし、年内にも予定される二国間協議に前向きな姿勢を示した。

 首脳会議終了後、李氏は報道陣に手を挙げ、笑顔で退出。対話樹立25周年記念では、ASEAN首脳らとともに協力関係の歴史を振り返るビデオを見て、ケーキをカットした。

 会議を受けて採択された共同声明は南シナ海問題に関し、法的拘束力を持つ「行動規範」の早期策定に向けた努力などを明記。緊急事態に対処するための各国外交当局間のホットライン開設や、海上での不測の事態防止に向けた「海上衝突回避規範(CUES)」の導入などが掲げられた。

 だが、南シナ海をめぐる中国の主権主張を否定した7月の仲裁裁判所の裁定や、人工島建設などには一切触れられていない。

 軍事クーデターで欧米からの制裁が続くタイ暫定政権の報道官はロイター通信に、「中国による海洋の平和維持への努力を支持する」と述べるなど、これまでの中立姿勢から中国寄りへ急速に傾いている。

 一連の首脳会議は最終日の8日、日米中など18カ国の首脳が参加する東アジアサミット(EAS)を開催する。日米などは、南シナ海での中国による一方的な現状変更に懸念を示し、中国は仲裁裁判所の裁定に拘束されるとの立場を表明する方針だ。だが、中国に配慮する議長国ラオスは、議長声明には同裁定を盛り込まない構え。中国は、国際社会の包囲網を破る作戦を着々と進めている。

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