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米とフィリピンの関係悪化 南シナなど対中包囲網 ASEANの亀裂懸念

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米とフィリピンの関係悪化 南シナなど対中包囲網 ASEANの亀裂懸念

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 【ビエンチャン=吉村英輝】南シナ海の領有権問題を抱える東南アジア諸国連合(ASEAN)は、親中派のカンボジアなどを使った中国の分断圧力を受け、亀裂が深まっている。多くの加盟国は、米国が唱える「法の支配」を共通概念に結束を目指したが、関連会議初日に起きたフィリピンと米国の関係悪化が冷や水を浴びせた格好だ。

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 現職の米大統領として初めてラオスを訪問中のオバマ氏は、ビエンチャン市内で6日、推進してきたアジア太平洋へのリバランス(再均衡)政策の総括演説を行い、域内同盟国に対する防衛義務は「揺るがない」と改めて確約。国際法に従い、域内での飛行や航行を続けると強調した。

 ただ、南シナ海の軍事拠点化を進める中国に、日本やASEAN諸国と包囲網を構築して対抗しようとするオバマ氏のもくろみは、狂い始めている。オランダ・ハーグの仲裁裁判所が7月、南シナ海の中国の主権主張を全面的に退けたものの、米国の同盟国フィリピンのドゥテルテ大統領は中国融和路線に転じた。

 南シナ海では、フィリピンにほど近いスカボロー礁周辺で、中国船10隻が集結しているのが確認されたばかり。ドゥテルテ氏には、オバマ氏との初会談が、対中姿勢を修正する絶好の機会だった。だが、自らの失言で会談は流れ、仲裁裁定を「紙くず」とする中国を利する結果となった。

 本格的な外交デビューを失態で印象づけたドゥテルテ氏は、6日の開幕式で、並み居るASEAN各国首脳を前に、いつにもなく神妙に立ち振る舞った。8日は米ASEANの首脳会談もあり、その前にオバマ氏との“関係修復”会談を再設定したい意向。ただ、最後のアジア歴訪にけちをつけられたオバマ氏がどう応じるかは不透明だ。

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