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中国“最後”の改革派雑誌「炎黄春秋」が廃刊へ タブーに切り込み部数伸び、背後に習近平指導部の意向か

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中国“最後”の改革派雑誌「炎黄春秋」が廃刊へ タブーに切り込み部数伸び、背後に習近平指導部の意向か

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 【北京=矢板明夫】中国共産党内の改革派古参幹部らが中心となり創刊された著名月刊誌「炎黄春秋」が、廃刊することになった。当局の強引な人事介入に反発したもので、同誌の編集部は19日までに、インターネット上で「われわれは廃刊することで一致した。今後、いかなる人物が『炎黄春秋』名義で出版物を出したとしても、われわれと関係はない」とする声明を発表した。

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 同誌は1991年に創刊され、国務院新聞出版総署長(閣僚)などの重要ポストを歴任した杜導正氏らが主導する中国の近代史を研究する専門誌。共産党幹部の特権や人権問題などのタブーをしばしば取り上げ、影響力を拡大してきた。雑誌不況のなか、発行部数は毎年のように伸び、2015年は創刊当初の約10倍の20万部近くに達した。

 同誌を管轄する政府系団体、中国芸術研究院が7月12日、杜氏が体調を崩して入院しているタイミングを狙った格好で、社長、副社長、編集長らを更迭する編集部総入れ替えの人事を一方的に発表。背後には、言論統制を強化したい習近平指導部の意向があると指摘された。

 雑誌を追われた編集部メンバーらは猛反発し、当局のやり方は「憲法で定められた出版の自由を著しく侵害した」として、裁判所に提訴する動きをみせている。北京の人権派弁護士は「雑誌側の勝算はないだろう。中国の最後の改革派雑誌はこれでなくなった」と話している。