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【サウジ・イラン断交】作家・元外務省主任分析官、佐藤優氏「第三次世界大戦に発展の恐れも」

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作家・元外務省主任分析官、佐藤優氏「第三次世界大戦に発展の恐れも」

サウジ・イラン断交更新
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 スンニ派の盟主を自任するサウジアラビアと、シーア派の大国のイランの対立は、第三次世界大戦に発展する危険性さえある。

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 サウジ大使館襲撃の背景には、イランの国家意思があるだろう。大使館が焼き討ちされたのに、人的被害がないこと自体が不思議だ。襲撃が暴徒によるものではなく、指揮命令系統の存在が疑われる。ウィーン条約で大使館の安全を確保する義務を負っているのに、イラン側には襲撃を本気で防ごうという意思はみられなかった。

 サウジは国内のイラン外交官に48時間以内の国外退去を要求したが、48時間では秘密文書を処分することはできない。関係先を捜索し、イランがサウジの政権転覆に関与した証拠を探す狙いがあるのだろう。

 イラン側は法学者のニムル師の処刑に激しく抗議したが、シーア派が約半数を占めるサウジの東部で、ニムル師が暴力的な反体制活動の中心にいたことは間違いない。両国の対立は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の台頭が引き金になった。ISは欧米への攻撃が目立つが、シーア派撲滅という宗派闘争の側面が強い。IS打倒で勢力を伸ばすイランに対し、サウジはアラビア半島がイランの影響下に入ってしまうことだけは避けたく、イランよりISの方がましだと考えるようになった。

 米国は今回の事態に何もできないだろう。イラン人がサウジに巡礼に来た際の衝突などは容易に想像でき、非常に危険な状態になったといえる。(談)