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中国高速鉄道、安全は置き去り? 最高時速350キロへ加速計画相次ぐ 追突事故から4年、海外輸出にらみスピード誇示か

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中国高速鉄道、安全は置き去り? 最高時速350キロへ加速計画相次ぐ 追突事故から4年、海外輸出にらみスピード誇示か

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 【上海=河崎真澄】北京-香港間を結ぶ全長約2400キロメートルの路線など、中国各地で建設が進んでいる高速鉄道網で、営業運転時の最高時速を現在の300キロから再び350キロに加速する計画が相次いでいる。

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 浙江省温州で死者40人を出した2011年7月の高速鉄道事故を受け、中国政府は最高時速が350キロメートルだった区間でも、同年8月に最高300キロメートルに制限して安全を優先させた経緯がある。しかし、周辺国への高速鉄道技術の輸出をにらみ、技術力の“高さ”を最高速度アップによって誇示する狙いがありそうだ。

 ただ、高速鉄道事故の後に汚職事件に揺れた鉄道省が13年3月に解体されるなど混乱も続いており、今回の最高速度アップで運行の安全性がどこまで確保されているのかは不透明だ。

 中国メディアによると最高時速350キロメートルを旗印とする建設中、または計画中の路線は、北京と香港を7時間で結ぶ「京九高鉄」のほか、北京-遼寧省瀋陽間や上海-四川省成都間の路線など。完成時期など詳細は不明だが、最高時速350キロメートルの路線は来年からの経済運営政策「第13次5カ年計画」の目玉となる。

 最大手の鉄道車両メーカー、中国中車の子会社が今年6月、最高時速350キロメートルの車両を「中国標準規格型」として開発ずみだ。

 日本やドイツから中国国内のみの利用を条件に高速鉄道の技術供与を受けてスタートしながら、「独自開発技術」をうたって中国は輸出攻勢をかけている。

 インドネシアの高速鉄道計画で日本に競り勝ったほか、タイなど周辺国への売り込みも強化する。年内に正式発足する中国主導の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)でも高速鉄道を低金利融資対象として、自国に有利な展開を狙う可能性が高い。