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ベイナー下院議長辞任表明 米共和党重鎮 「オバマ政権に融和的」強硬派から圧力

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ベイナー下院議長辞任表明 米共和党重鎮 「オバマ政権に融和的」強硬派から圧力

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 【ワシントン=加納宏幸】米共和党のベイナー下院議長(65)は25日に記者会見し、10月30日に議長を辞任し、下院議員も引退すると正式に表明した。オバマ米政権に融和的だとして党内の強硬派から辞任を求める声が根強かった。ベイナー氏自身も、「指導部の混乱が長引けば、議会に取り返しの付かない害を及ぼすことになる」ためだ理由を説明した。

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 中西部オハイオ州選出のベイナー氏は1990年に初当選し、現在は13期目(下院任期は2年)。保守系草の根運動「ティーパーティー」(茶会)のブームで、共和党が下院で過半数を奪還した2010年中間選挙を受け、11年1月に下院議長に就任した。

 ただ、茶会系を含む強硬派からは、オバマ政権の医療保険制度改革(オバマケア)などで政権に妥協的であるとの批判を浴び、辞任要求にさらされてきた。

 共和党の強硬派は10月からの16会計年度の予算で、人工妊娠中絶に関わる非営利組織「全米家族計画連盟(PPFA)」への補助金を打ち切るよう求め、政府機関の一時閉鎖に追い込む構えをみせている。辞任表明で、一時閉鎖は回避される見通しが強まった。

 ワシントンでは25日、中絶や同性婚に強硬に反対する宗教保守系団体が次期大統領選の共和党候補を招いた集会を開催。候補の一人、マルコ・ルビオ上院議員がベイナー氏の辞任を伝えると、聴衆から盛大な歓声と拍手が起こった。

 ベイナー氏の後任にはマッカーシー院内総務が有力だが、同氏は強硬派とも良好な関係を保っているとされる。今後、16年11月の大統領選に向けて、新指導部がオバマ政権との対決姿勢を強める可能性がある。

 オバマ米大統領は25日、ホワイトハウスで開かれた中国の習近平国家主席との共同記者会見で、記者団から辞任表明について質問を受け、ベイナー氏を「愛国者」であるとたたえるとともに、「統治に100%はなく、国民のためには意見を異にする人とも協力しなければならないことを理解していた」と評した。