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【金正日】「死体がだんだん縮んでいる」?…改修に食糧3年分、死後も国民さいなむ「遺体保存」

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【金正日】「死体がだんだん縮んでいる」?…改修に食糧3年分、死後も国民さいなむ「遺体保存」

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17日、金正日総書記らの遺体が安置された平壌の錦繍山太陽宮殿を李雪主夫人(中央左)らとともに訪れた金正恩第1書記(朝鮮中央通信=朝鮮通信) 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺体は父、金日成(イルソン)主席と同様に保全処理され、生前の姿のまま平壌に安置されている。だが、施設改築には国民3年分の食糧がまかなえる巨費が注ぎ込まれた。現在も、両指導者の遺体保全だけで年間約2億円が投じられ、国民生活を圧迫し続けている。(龍谷大教授 李相哲)

 金総書記の遺体が一般に公開されたのは、死去から1年たった2012年12月。「永久保存」にはそれだけ複雑な処理が必要だからだ。

 遺体保全研究に関わり、その後、脱北した元研究者や資料によると、臓器などの摘出から防腐処理、ガラスのひつぎに納めるまでの措置だけで約100万ドル(1億2千万円)を費やす。関連施設の整備費を合わせると約1億ドルを要したという。

 処理後も、2週間に1度はひつぎから取り出し、防腐処理を施さなければならない。ロシアからの技術者の手で行われ、保存作業だけに毎年約80万ドル(約9400万円)以上かかるという。金主席の遺体と合わせると、維持費は倍になる。

 安置されているのは、平壌中心から北東約8キロの錦繍山(クムスサン=モランボン)の麓にある、ぜいを尽くした石造建物の3階部分だ。総敷地面積約350万平方メートル、地上の建物面積だけで約3万5千平方メートル。建物前の広場の面積は約9万平方メートルで、東京ドーム2個分に当たる。

 広場は、金主席の誕生日(4月15日)にちなみ横415メートル、縦は金総書記の誕生日(2月16日)に合わせ216メートルにし、建物を囲む塀には鶴と雲を彫刻した約70万個の世界最高級の御影石が使われ、入り口の手すりには金が施されている。

 もともと、建物は金総書記が父の65歳の誕生日に贈るため、後継者に内定した直後の1973年3月に着工、77年4月に完成した。当初は金主席の官邸として使われ、「錦繍山議事堂」や「主席宮」と呼ばれた。

 金主席の死後、遺体を安置するために大掛かりな改築工事が行われ、約8億9千万ドルを費やしたとされる。工事が行われたのは北朝鮮で大量の餓死者が出始めた94~95年。改築費はトウモロコシに換算すると、北朝鮮国民3年分の食糧を買える額だ。脱北した党幹部によると、改築に伴うトンネル工事で多数の死傷者も出たという

 改築後、「錦繍山記念宮殿」と呼び名を変え、金総書記の遺体も安置後は「錦繍山太陽宮殿」と呼ばれるようになった。最近、住民の間に「金日成の死体がだんだんと縮んでいる」といった噂が広がっているというが、遺体の劣化か、「浪費の恨み」が生んだ“怪談”かは定かでない。

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