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5Gワゴン車で変える過疎地 5・0社会の快適な暮らし

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新年度に5G装備の「お助けワゴン車」の実証実験を行う鳥取県の県庁
新年度に5G装備の「お助けワゴン車」の実証実験を行う鳥取県の県庁

 次世代移動通信システム「5G」装備のワゴン車が地域に出かけ、行政や医療のオンライン相談や各種申請などを受け付ける出張型サービスの実証実験を、新年度から鳥取県が行う。国が提唱する未来社会のコンセプト「Society(ソサエティー)5・0」の具現化。高齢化や過疎化の進展で年齢や地域によって格差が生じている生活の質の改善につなげられるか注目される。

確定申告や遠隔医療

 「Society5・0」は、国が平成28年の第5期科学技術基本計画で、目指すべき未来社会の姿として提唱した。仮想と現実の空間を融合させ、経済発展と社会的課題の解決を両立する「人間中心の社会」と規定しており、狩猟社会(1・0)▽農耕社会(2・0)▽工業社会(3・0)▽情報社会(4・0)-に続く新たな社会とする。かみ砕いていえば、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)、ロボット、ビッグデータといった先端技術がもたらす恩恵をだれもが享受し、快適に質の高い生活を送る社会といえよう。

 鳥取県が令和3年度予算で打ち出したのは「Society5・0地域出張型行政サービスモデル事業」。5G(地域によっては4Gも)によりインターネットへの常時接続機能を有する「コネクテッドカー」(ワゴン車タイプ)を地域に派遣し、この車と役場や病院をオンラインで結び、住民がこの車を介して役場や病院に行くのと同等のサービスを受けられるようにする。

 提供されるサービスは、行政相談や電子申請手続き、確定申告、遠隔医療、子供の健康診断などを想定。選挙の投票や災害発生時の現地本部として活用も視野に入れている。

過疎化で商店など消滅

 鳥取県が今後目指すべき将来の方向性を提示するために策定した「鳥取県人口ビジョン」によると、人口約55万人と全国最少の同県は全国平均より10年早く高齢化が進展し、12年には65歳以上の老年人口が全体の35%を占めると予想される。さらに県内19市町村のうち12市町が過疎法に基づく過疎指定地域で、全県土に占める過疎地域の割合は56%にもおよぶ。

 過疎化で商店や診療所など生活に欠かせない施設が地域から消滅し、そこに出かけようにも高齢化のため移動がままならない。そんな状況を踏まえ、「地域から人(住民)を運ぶのではなく地域にさまざまなサービスをお届けする」のが新事業の発想の原点だ。

 事業主体は市町村で対象は2団体を想定しており、今年4月以降に募集に入り夏に選定、新年度末の実証実験開始を見込んでいる。県が事業費の2分の1を補助するため、県は新年度予算に1500万円(1件750万円)を計上した。主にコネクテッドカーの購入・整備費に充てる。

 翌4年度も引き続き実験し、有効性を判断したうえで本格実施するか決める。対象地域としては中山間地や過疎地などが想定されるが、県は「中心地よりはそうした場所だろうが、条件を絞り込んでいるわけではない」としている。

鳥取版「5・0」社会

 鳥取県は新年度、「Society5・0」関連の新事業として、ICT(情報通信技術)の活用により多様な形での文化芸術の表現や発信を可能とする芸術支援や、小規模事業者のデジタル化支援を推進する。今年度も稲作や畑作で実証実験に取り組んだ「スマート農業」をさらに進め、自動操舵トラクターや高性能コンバイン、画像撮影のためのドローン、作業に必要な力を軽減するアシストスーツなどの購入費補助を始める。

 生活、文化、産業など多方面で先端技術を活用し、アフターコロナの鳥取版「5・0」社会を実現させる考えだ。

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