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大阪・ミナミの路線価4%減額 コロナ禍で…激甚災害以外で初の補正

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 国税庁は26日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により地価が大幅に下落したとして、大阪市中央区の心斎橋筋2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目の大阪・ミナミ3地域で、路線価を4%減額補正したと発表した。昨年7~9月に当該地域の土地を取得した場合、相続税や贈与税の算定に適用される。激甚災害以外の要因で路線価を補正するのは初めて。バブル崩壊やリーマン・ショック時でもなかった異例の対応となる。

 大阪国税局によると、これら3地域の昨年7~9月の地価は、同1月1日との比較でいずれも23%下落。地価の約8割の額で設定される路線価を下回った。昨年7~9月に宗右衛門町の土地を相続した場合は、1平方メートル当たりの路線価2087万円(1月時点)に補正率0・96を掛け合わせた改正後路線価2003万5200円をもとに、納税額を算出する。

 ミナミはコロナ禍で外国人観光客がいなくなったことで、インバウンドに商機を見いだしていた店の経営が危機にひんした。道頓堀商店会によると、この地域では過去1年間で約30店舗が閉店か休業に追い込まれた。大半が外国人向けの飲食店や土産店で、今では空き店舗の利用を呼びかける貼り紙が目立つ。

 大阪・ミナミの地価の下落率が20%を超えたのに対し、神戸、京都、奈良など関西のほかの繁華街や観光地の下落率は、8~10%程度にとどまる。大阪学院大の相川真一准教授(不動産学)は、路線価の補正を「コロナ禍で苦しむ納税者に配慮した国税庁の大きな決断だ」と評価。「ミナミではインバウンドへの依存度が極めて高いということが改めて分かった」と指摘する。

 ただ不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」を運営する「リクルート住まいカンパニー」(東京)によると、ミナミの地価は今回下落したとはいえ、近年続いた上昇基調の影響で依然高水準といい、担当者は「インバウンドによる収益が見込めない中で高い家賃を払うことに躊(ちゅう)躇(ちょ)する事業者が増え、空き店舗が目立つようになった」と分析している。

 大阪国税局によると、中央区内ではこれら3地域のほか、千日前や難波、日本橋などの一部地域でも15%超の地価の下落が確認された。国税関係者は「コロナの影響が続けば、下落地域がさらに広がる可能性もある」と話している。

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