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コロナ病床の確保難航 民間「ノウハウ不足」 大阪知事「府全体で対峙」

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 医療機関で新型コロナウイルス感染者の病床の確保が難航している。大阪府は「第4波」の到来も想定し、受け入れ病院の裾野を広げるため、2次救急の民間病院を中心に新たな軽症・中等症病床の準備を要請するが、病院側は感染防止のノウハウなどが不十分として難色を示す。府は支援金制度の創設に向けて国と協議しているが、財源と見込む交付金の使途をめぐるハードルは高い。

 「一定の基準を満たす病院は新しくコロナ患者の入院を受け入れてほしい。大阪の医療資源全体でコロナに対(たい)峙(じ)する」

 吉村洋文知事は24日、記者団にこう述べ、改めて病院へ協力を求めた。「準備は必要だが『やらない』ではなく、やるという判断をお願いしたい」とも強調した。

 危機感の背景に確保病床の逼(ひっ)迫(ぱく)がある。11月初めに30%台だった軽症・中等症病床の使用率は同23日に5割を超え、12月7日に6割に到達。2週間後の21日には74・4%に上った。すぐに使える病床の運用率も24日時点で73・5%と高い。

 府によると、府内の病院は民間が9割を超えるが、コロナ患者を受け入れている民間病院は18日時点で約1割の46カ所にとどまる。

 民間病院を中心にコロナ病床を拡大するため、府は23日の対策協議会で、内科や呼吸器内科を備えているがコロナに対応していない112の2次救急病院に対し、軽症・中等症患者の受け入れを要請すると決めた。それでも増床は容易ではない。

 対策協議会委員を務める府病院協会の佐々木洋会長は「民間に必ず感染症の専門医がいるわけではない。ゾーニング(区域分け)など感染防止のノウハウも、設備投資の余裕もない」と指摘。「院内感染からクラスター(感染者集団)が発生すれば、病棟を閉鎖し、経営を直撃することになりかねない」と説明する。

 現行法上は病院側にコロナ患者の受け入れを強制することはできない。吉村氏は「感染が広がったとき、どう(病院を)動かすか。法的な根拠がなければ、限界がある」と吐露した。

 府はコロナ患者受け入れのインセンティブ(動機付け)として独自の支援金制度を検討し、国の緊急包括支援交付金の活用に向けて厚生労働省と協議している。

 だが同省によると、交付の対象は「コロナ患者をみることで新たにかかる費用」で、府が検討する使途は該当しないという。

 吉村氏は「使い道を自由に決めさせてほしいが、『ひも付き補助金』のようになっている」とし、活用できない場合は「府独自の財源でやる腹はくくっている」と述べた。

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