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大阪北部地震から2年 進まぬ民家のブロック塀撤去 

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高槻市立桃園小学校でブロック塀の撤去後に造られたフェンス=17日午前、大阪府高槻市(鳥越瑞絵撮影)
高槻市立桃園小学校でブロック塀の撤去後に造られたフェンス=17日午前、大阪府高槻市(鳥越瑞絵撮影)
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 大阪府高槻市の小学校でブロック塀が倒れ、女児が死亡する事故が起きた大阪北部地震の発生から18日で2年。事故を機に、各自治体では学校内で安全性に問題があると判断されたブロック塀の大部分を撤去、改修が進んだ。だが、民有地については危険なブロック塀の撤去や補強工事が遅れており、自治体の担当者も対処に頭を悩ませている。(吉国在)

 地震後、被災自治体の多くで学校内のブロック塀対策が進んだ。高槻市では、全市立小中学校にある全てのブロック塀を撤去する方針を決定。高さ1・2メートル以上は昨年3月末までに撤去を終え、0・8メートル以上についても今年度中に撤去を終える見通しだ。0・8メートル未満は令和4年度中をめどに撤去する。対象は総延長で13・3キロに上るという。

 枚方市も平成30年12月末までに市立学校と幼稚園38校で問題のある全長約1・1キロ分の撤去、改修を終えた。豊中市ではブロック4段分(0・8メートル相当)以上全てを対象とし、市立学校56校の全長約12キロのうち90%以上を撤去した。

 ただ、通学路上にはまだ、民家などの民有地に危険なブロック塀が多く残っている。高槻市は地震後に行った調査で、約90カ所で傾きやひびなどの問題があると判断したが、撤去が完了したのはまだ半数。担当者は「私有財産なので、倒壊の危険性を粘り強く説明し、安全対策の必要性を訴え続けるしかない」と話す。

 市は地震後、民有地のブロック塀撤去に必要な費用を補助する制度を創設。所有者に撤去を促しているが、強制はできないため思うように進んではいない。昨年度からは、補助額を30万円から100万円に引き上げて対応している。

 大阪市でも、通学路上で安全性に問題があると判断した民有地などのブロック塀56カ所のうち、20カ所は昨年12月時点で未対応だ。「所有者が特定できず連絡が取れなかったり、費用の問題で撤去の要請に応じてもらえないこともある」(担当者)という。

 一方、京都市は学校の敷地と民家を隔てるブロック塀の撤去にてこずっている。

同市では、市立学校にある約31キロ分を撤去する方針を決め、今年度末までには道路に面した約15キロ分の撤去・改修を完了させる計画だが、民有地と接する残り約16キロは撤去の見通しが立っていない。費用は市負担だが、複数の民家が絡む事例もあり、交渉は難航中。「騒音も発生するし、市の考えを押しつけることはできない」と担当者は気をもむ。

 撤去が遅れる民有地のブロック塀への対応は急務だ。東北工業大の最知正芳特命教授(建築生産工学)は「民有地でも自治体は特に危険性の高いブロック塀を選定して補助金を増額するなどして所有者に撤去を促すべきだ」と指摘。「全撤去しなくても、高さを80センチ以下にする工事であれば費用も安い。リスクを減らす対応が必要だ」と話している。

     ◇

 大阪北部地震 平成30年6月18日7時58分、大阪府北部を震源として発生し、大阪市北区と高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱を観測した。6人が死亡し、うち2人はブロック塀の崩落に巻き込まれた。大阪府を中心に6万棟を超える住宅被害をもたらしたほか、発生時間が通勤時間帯と重なったため、通勤困難者を生むなどし、都市型災害の課題を浮き彫りにした。

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