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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】武者小路の「友」は強い

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 <武者小路実篤『友情』完結100年 来年は刊行100年です>

 昨年12月のことだが、駅前の本屋に入ったら、そういう貼り紙がしてあった。店主に聞いたら、近所の女子高の文芸部の生徒が、折に触れてこういう貼り紙をつくってくれるのだという。

 驚いたことに、この「友情」の貼り紙をした途端、「友情」が8冊も売れたそうだ。

 昔、高校生のときに「友情」を読んで、泣いたことだけは覚えているのだが、中身はまるっきり忘れてしまった。そこで、『万有百科大事典(1)文学』(小学館)で、武者小路実篤(むしゃのこうじ・さねあつ)を引いたところ、こう書いてあった。

 <『友情』=中編小説。1919年10月~12月「大阪毎日新聞」連載。1920年岸田劉生の装丁で以文社刊。白樺派の友情と彼らの恋愛を描いた小説。主人公の野島と友人大宮、その二人の恋人となった杉子、この三人の力強い関係をダイナミックに展開。野島は失恋するが、その悲しみに耐える。大宮も杉子もおのれのエゴに忠実に生きる。ひきしまった構成と平易簡潔な文体で一貫し、青春の書として多くの人々に読まれた。>

 これを読んだあと、ふと思いついて、12月になってからの競馬結果を調べてみたら、12月1日(日)の阪神1Rで北村友一騎手がいきなり1着。2Rで高野友和厩舎(きゅうしゃ)が1着。さらに北村友一騎手は、7Rと11Rでも1着。ああ、名作「友情」の完結100年で“友”の字は要注目なんだと、これで分かった。

 北村友一騎手が翌週、12月8日(日)に阪神11RのGI・阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったのは、記憶に新しいところ。4番人気、単勝オッズ11・2倍のレシステンシアを駆って、後続を5馬身もぶっち切るレコード勝ちだった。同じ日に香港のシャティン競馬場で行われたGI・香港マイルでは、友道厩舎のアドマイヤマーズが5番人気で差し切り勝ち。“友”の字強し。

 今年は『友情』刊行100年。“友”の字、ますます特注。(競馬コラムニスト)

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