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【大阪国際女子マラソン】ハーフ日本新のスピードランナーがペースメーカーに 新谷仁美「選手の力添えをしたい」

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12日の都道府県対抗女子駅伝で東京のアンカーとして力走する新谷。大阪国際ではペースメーカーとして好記録誕生をアシストする=京都市のたけびしスタジアム京都(永田直也撮影)
12日の都道府県対抗女子駅伝で東京のアンカーとして力走する新谷。大阪国際ではペースメーカーとして好記録誕生をアシストする=京都市のたけびしスタジアム京都(永田直也撮影)

 26日に開催される「第39回大阪国際女子マラソン」(産経新聞社など主催、奥村組協賛)は東京五輪の代表切符もかかる重要なレース。19日のハーフマラソンで日本新記録をマークしたばかりの新谷仁美選手(31)=東京陸協=がペースメーカーを務めることでも注目を集めている。五輪や世界選手権の出場経験があるトップランナーがペースメーカーで走るのは異例。自身も女子1万メートルでの東京五輪出場を目標に掲げていて「(マラソンで)五輪を目指す選手の力添えをしたい」と意気込んでいる。

 「しっかりペースを作るので、選手たちには設定記録(2時間22分22秒)を突破してもらいたい」。新谷選手はそう力を込めた。

 今大会は東京五輪代表の最後の1枠を争う「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」の指定レース。日本陸上競技連盟の設定記録を突破した選手は代表に近づくだけに、ペースメーカーの役割は重要だ。

 新谷選手の言葉の裏には、自らも選手として1万メートルで東京五輪出場を目指すという熱い思いがある。2013年世界選手権(モスクワ)の1万メートルで5位入賞を果たした後、足の故障などを理由に競技の第一線を退いた。一般企業で事務職も経験したが「やっぱり自分には走ることしかないと気付かされた」。約4年半のブランクを経て一昨年6月に電撃的に現役復帰を果たし、再び東京五輪を目指して練習に励んでいる。

 復帰後も持ち前のスピードをレースで発揮していて、19日に米国で出場したハーフマラソンでは1時間6分38秒をマークし、14年ぶりに日本記録を更新。五輪に向けても「日本人が1万メートルの舞台でメダルを取ることが可能であると世界にみせたい」と強調する。

 今回ペースメーカーを引き受けたのも、東京五輪に自身と同じ気持ちで挑む選手たちの手助けをしたいと思ったからだ。ただ、2月にも5千メートルのレースを2本控えているため、コーチからは故障のリスクを心配する声も上がったが「ここで大役を引き受けたかった」と決意は固かった。

 こうした新谷選手の姿に、今回のレースに出場する選手たちの思いもひとしおだ。

 「ありがたい。能力ある選手だから」と話すのは、ベテランの福士加代子選手(37)。新谷選手とは12年ロンドン五輪に1万メートル代表として一緒に出場し、同じ思いを共有した間柄だ。2年前の大阪国際で優勝した松田瑞生選手(24)にとっても、新谷選手は中学生の頃から憧れたランナー。昨年9月のMGCで3位だった小原怜選手(29)は岡山・興譲館高の後輩にあたり、縁が深い選手は多い。

 今大会で新谷選手がペースメーカーを務めるのは12キロまでの予定。設定記録を突破できるハイペースで序盤から引っ張る覚悟で「大阪から最後の1枠が決まってほしい」。その思いは五輪を目指して走る選手たちの追い風になる。(宇山友明)

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 にいや・ひとみ 昭和63年2月26日生まれ、岡山県総社市出身。岡山・興譲館高時代は全国高校駅伝で1区で3年連続区間賞を獲得した。平成18年に故・小出義雄氏が指導する実業団の豊田自動織機に入り、マラソンにも挑戦。同24年の日本選手権の女子5千メートルで初優勝を飾り、その年のロンドン五輪にも出場した。翌年の世界選手権(モスクワ)は1万メートルで5位入賞。26年に引退を発表したが、30年に現役に復帰した。

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