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【通崎好みつれづれ】奮闘「マリンバ弁護士」

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マリンバの演奏に打ち込む谷岡茉耶さん=京都市中京区
マリンバの演奏に打ち込む谷岡茉耶さん=京都市中京区
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 10年ほど前から、大人になって初めてマリンバに触れる初心者のレッスンをしている。いろんな経歴を持った皆さんと接する中で、教える側の私も楽しみや喜びを味わう。

 3年前の春に入門された谷岡茉耶(まや)さん(37)の職業は、弁護士。33歳の時に独立し、北浜(大阪市中央区)に「谷岡法律事務所」を構える。主に、離婚、相続、交通事故、債務整理など、一般民事事件を取り扱うが、大阪弁護士会で、高齢者や障害者を支援する委員会に所属することもあり、成年後見の依頼も多い。

 茉耶さんは、レッスンで私がアドバイスをすると、きちんと目を見て「わかりました」とうなずき、もらさず楽譜に書き込みをされる。お仕事の現場でもこんな感じなのかしらと、ほほえましい。茉耶さんオリジナルの「お月謝袋」には、毎月季節に合わせたかわいいイラストが描かれており、これを受け取るのも楽しみの一つだ。

 実際楽器に触れられる時間は限られるので、毎日、行き帰りの電車の中で、楽譜をひろげてのイメージトレーニングは欠かさないという。その成果もあり、ぐんぐん上達されている。茉耶さんは、もっと上手になりたいし、いろんなところで演奏したいと意欲的だ。

 昨年末には、おじいさまが入居されるサービス付き高齢者向け住宅「伏見ぬくもりの里」の催しで、念願の「デビュー」を果たした。伴奏は、幼なじみで特別支援学校教諭の大渓(おおたに)麻紀子さん。昨年、私が主催する発表会に茉耶さんの演奏を聴きに来たことがきっかけで、ピアノのレッスンを再開された。大人になってから音楽でつながるのはとてもすてきだ。

 30分間のミニ演奏会。普段イベントにはあまり出席されない脳梗塞の後遺症を持つ方も参加され、マリンバに合わせて一緒に歌ってくださったと聞き、私もうれしくなった。次の機会には、今回間に合わずに演奏できなかったおじいさまのリクエスト曲「天然の美」と「東京音頭」もレッスンして、ぜひ披露してもらいたいと思っている。(通崎睦美 木琴奏者)

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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