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「いもむしゴロゴロカレー」エビやカニに似た濃い風味 産学連携で開発

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アフリカ原産のガの幼虫「シアワーム」を使った開発中の「いもむしごろごろカレー」
アフリカ原産のガの幼虫「シアワーム」を使った開発中の「いもむしごろごろカレー」
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 栄養バランスや生産効率の良さから「代替肉」として注目されている昆虫を使ったカレーを商品化しようと、大阪府和泉市のベンチャー企業と東大阪大短期大学部が産学連携で開発に取り組んでいる。開発費用をクラウドファンディングで集め、今春の商品化を計画。栄養が偏りやすい災害時の食事などに活用してもらうことも想定している。(山本考志)

■高たんぱく、繊維豊富

 タマネギやニンジン、オクラなどの野菜が溶け込んだルーに、黒光りした芋虫が浮かぶ。スプーンですくい、勇気を振り絞って口に含むと、想像していた柔らかさではなく煮干しのような歯応えで、エビやカニに似た濃い味が広がった。

 昆虫食販売「昆虫食のentomo(エントモ)」(大阪府和泉市 https://entomo.jp )の松井崇社長が開発に取り組んでいるのが、その名も「いもむしゴロゴロカレー」だ。

 同社によると、この芋虫はアフリカ原産の蛾の幼虫で、食用のために乾燥させて輸入した。和名はない。種子の脂肪分が食用や保湿クリームなどに使われるシアバターノキの葉を食べることから、松井社長が「シアワーム」と命名した。

 シアワームは日本の検査機関による微生物検査にも合格した安全な食品だ。ただ、昆虫はエビやカニなどの甲殻類に近いため、甲殻類アレルギーがある人は注意が必要という。

 「シアワームは食べ応えがあり、高たんぱくで食物繊維が豊富」とアピールする松井社長は、「見た目のハードルは高いが、昆虫食に関心のある“上級者”向けの商品にしたい」と話す。食材としてカレーに合わせるために、下ゆでしてあくを抜き、さらに赤ワインに漬け込んで独特の臭みを処理するなど、試行錯誤を重ねている。

 昨年12月8日には、開発資金50万円を調達するためクラウドファンディングを始めた。期間は3月5日までで、支援者への返礼品には商品化したカレーや、昆虫食についてのワークショップの出張開催などを提案。1月21日時点で約20万円の支援が集まっている。

■被災地活用を研究

 松井社長は平成26年に体調を崩し、食事療法について調べていたところ、昆虫食の栄養バランスの良さに着目。29年10月に同社を設立し、昆虫食を研究する東大阪大学短期大学部実践食物学科長の松井欣也教授と共同開発を始めた。

 松井教授は栄養士として病院で勤務していた23年6月、東日本大震災で被災した宮城県で支援活動に従事。避難所での食事が炭水化物中心で栄養が偏り、被災者が病気や体調不良を起こしたことから、タンパク質やミネラルが豊富な昆虫食を災害時の食事などに活用できないか、意識調査などの研究を続けている。

 国連食糧農業機関(FAO)は2013年、食用や家畜の飼料として昆虫の活用を推奨する報告書を公表した。この中で、2030年代に世界の人口が90億人を超え、動物性タンパク質の需要が高まると指摘。温室効果ガスの排出などが問題視される家畜生産に比べ、昆虫の養殖は環境負荷が小さく、成長が早いため効率性も高いとしている。

■無印良品も参入

 近年、企業による昆虫食活用の試みも始まっている。生活雑貨販売の無印良品は今春、コオロギを使ったせんべいを発売する予定だ。スウェーデンの家具大手、IKEA(イケア)の研究機関は、昆虫を使ったミートボールなどの研究に取り組んでいる。

 松井教授は、日本ではイナゴやハチノコなどの昆虫が食べられてきたことから昆虫食普及の素地があると指摘。「FAOの報告以降、昆虫食のイメージが変わり始めている。今がチャンス」と意気込んでいる。

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