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高校生棋士の藤井聡太七段、タイトルの最年少記録へ正念場

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藤井聡太七段のタイトル挑戦・獲得の最年少記録更新なるか=大阪・関西将棋会館(渡辺恭晃撮影)
藤井聡太七段のタイトル挑戦・獲得の最年少記録更新なるか=大阪・関西将棋会館(渡辺恭晃撮影)

 数々の将棋の最年少記録を更新してきた高校生棋士、藤井聡太七段(17)が今年、正念場を迎える。タイトル挑戦・獲得の最年少記録更新の最後のチャンスとなるからだ。タイトル挑戦の最年少記録更新は6月上旬開幕予定のヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催)のみ。獲得については棋聖戦のほか、王位戦、王座戦、竜王戦までチャンスがある。“藤井ブーム”の再燃はあるのか。

 これまでのタイトル戦の最年少挑戦記録は屋敷伸之九段(47)が平成元年12月、第55期棋聖戦に挑戦した17歳10カ月。最年少タイトル獲得は翌年8月の第56期棋聖戦で、やはり屋敷九段が18歳6カ月で成し遂げた。14年7月19日生まれの藤井七段は屋敷九段の記録を更新できるのは挑戦が棋聖戦のみで、獲得は今年中となる。

 28年10月、14歳2カ月の史上最年少でプロ入りした藤井七段はデビューから公式戦29連勝の史上最多連勝記録を樹立、将棋ブームに火をつけた。その後も数々の最年少記録を更新。周囲の期待はタイトル戦の最年少記録更新に移った。これまで10代でタイトル戦に登場したのは屋敷九段ら3人。獲得は屋敷九段と羽生九段(第2期竜王戦、19歳3カ月)の2人だけだ。

 藤井七段は昨年、王将戦で挑戦者決定リーグ入り(7人)を果たした。順位戦A級在籍・タイトル経験者6人を相手に勝ち星を積み重ね、勝てば17歳5カ月の史上最年少の挑戦が決まる最終戦は広瀬章人八段(32)=当時竜王=と激突。優位に進めながら最終盤のまさかのミスで挑戦権を逸した。藤井七段は終局後、「最後に間違えてしまった。それが実力かな」。

爆発的な輝きに陰り?

 やはり、タイトル挑戦・獲得の壁は高いのか。

 挑戦・獲得の最年少記録を持つ屋敷九段は「いつ挑戦してもおかしくない。藤井さんはどんどん強くなっていくので、挑戦できれば獲得するチャンスは高いと思う」と断言。一方で、「棋聖戦でも今後勝ち進めば若手実力者やA級棋士、タイトルホルダーと当たっていく。挑戦者になるのは簡単ではない」とも話す。

 日本将棋連盟常務理事で棋聖戦など6度のタイトル挑戦の経験を持つ森下卓九段(53)は「デビュー直後の爆発的な輝きは陰ってきていると思う。デビューから3年が経過し、そろそろタイトルを取らないといけない。仮に挑戦者になっても番勝負で負けると『藤井七段もここまでか』という評価になってしまう」と手厳しい。

 「若い頃は何が何でも勝ちたい、といういちずな情熱がなくては大成しない」。森下九段はタイトル獲得に執念をみせた升田幸三実力制第四代名人の言葉を挙げて奮起を促した。

 藤井七段が残された1年で新たな金字塔を打ち立てることができるか。

(文化部 田中夕介)

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