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【台風19号】長野市上空ルポ 岸壁えぐられ、木々倒壊 爪痕生々しく

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【台風19号】今も水が残る千曲川の決壊現場付近=15日午前9時8分、長野市(本社ヘリから、恵守乾撮影)
【台風19号】今も水が残る千曲川の決壊現場付近=15日午前9時8分、長野市(本社ヘリから、恵守乾撮影)
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 台風19号の列島上陸から3日目となった15日朝。13日から連続し、ヘリで上空から長野市穂保地区を取材した。台風で千曲(ちくま)川の堤防が決壊し、市街地に水が流れ込んでいた同地区は、ほぼ全ての範囲で水は引いた。泥水の海に沈み、消えていた街が姿を現したものの、泥だらけの街に台風が来る前の面影はない。

 ヘリで同地区に近づくと、茶色く濁り、日光を反射して鈍く光る千曲川が見える。水流は穏やかになったものの、川幅は不自然に広がり、えぐりとられた岸壁やなぎ倒された木々など、台風の痕跡が生々しく残る。河川敷にはりんごなどの菜園もあったとみられるが、残るのは茶色い水たまりだけだ。

 14日の朝時点では完全に水は引いておらず、水につかった車や建物も残っていたが、15日朝には一部を除いてほぼ全域で地面まで見える状態に。2日前まで泥水に深く沈んでいた道路に車が連なった。看板しか見えなかったガソリンスタンドや飲食店も駐車場など敷地が姿を見せ、従業員とみられる人々が泥をかき出したりしていた。

 住宅街には天井部分まで茶色く汚れた車が転がり、ビニールハウスはぺしゃんこ。住宅は傾き、崩れ落ちた1階がかろうじて2階部分を支えている。14日時点では浸水した場所で消防隊員らがボートを使用していたが、15日はほぼ歩ける状態に。ただ、住宅街を歩く住民はまだ見当たらず、ヘルメットをかぶった消防隊員らが被害状況を確認しようと歩き回る姿が見えた。

 3連休が明け、学校や企業も始動するはずが、元の日常にはほど遠い光景が広がる。ヘリからいくつかの学校は見えたが、校庭は大きな水たまりが残り、泥だらけ。校舎の壁の一部は崩れ落ち、倒れたサッカーゴールが校舎1階に突っ込んでいた。

 数両の新幹線が水につかり、深刻な被害を受けた長野新幹線車両センターも、窓まで水につかった新幹線や敷地内の線路や倉庫、建物もはっきりと姿を現した。しかし、線路は一部損壊。新幹線が走る線路も泥が詰まったままだ。

 甚大な被害をもたらすきっかけとなった、70メートルほど決壊していた堤防はおおかた土が積まれ、半分以上決壊した部分は埋まりつつある。これから住民も戻って作業が本格化し、復旧へ動き出す。(北野裕子)

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