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来春から小学校で必修の「プログラミング」活況

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チームで協力しながらプログラミングに取り組む子供たち=神戸市灘区の「キッズプログラミングスクール8×9」(安元雄太撮影)
チームで協力しながらプログラミングに取り組む子供たち=神戸市灘区の「キッズプログラミングスクール8×9」(安元雄太撮影)

 来春から小学校で必修となるプログラミングへの関心が高まっている。必修化の背景には、IT産業を支える優秀な人材を育てるためにまずは幅広く子供たちにプログラミングに触れさせるとの方針があり、専門家は「まずは体験を」と話す。ゲーム感覚で本格的に学べる民間のスクールも盛況だ。(加納裕子)

■民間の教室でも高まる人気

 「ピラミッドがいいかな、市場がいいかな。話し合って紙に書こう」。5月中旬、神戸市灘区の「キッズプログラミングスクール8×9(ハック)」六甲道本校で、現役プログラマーの講師が小学3年から中学1年の男女7人に呼びかけた。

 人気ゲーム「マインクラフト」をベースに本格的なプログラミングが学べるオリジナル教材「ハッククラフト」を使い、3、4人のチームで協力して建築物を作る課題。子供たちは何を作るか画用紙にクレヨンで描いた後、それぞれのパソコンを使って建築物をプログラミングしていく。

 スクールを運営する「ハック」の森田康太郎社長(41)は「ゲームが好きで、自分も作れるようになりたくて通う子が多いです。将来プログラマーにならなくても、就職した会社の業務を効率的に行えるようにしたり、会社を作って役に立つアプリを世の中にリリースしたり、技術を役立ててほしい」。平成28年1月の開始当初の生徒数は12人だったが、人気の高まりを受け、現在は関西を中心に6教室、生徒数は300人を超えているという。

■日本を支える優秀なIT人材育成

 「もはやスマートフォンやコンピューターなしには生活はできない。これらの仕組みを知ることは将来、ネットいじめやネット詐欺などの危険から身を守ることにもつながる」。大阪電気通信大学ICT社会教育センター長代理の兼宗進教授(プログラミング教育)はこう強調する。

 兼宗教授は、文部科学省主催の有識者会議などにも参加しており、「プログラミング教育を進めるもう一つの理由は、日本を支える優秀なIT人材が必要だということ。そのためには裾野を広げる必要がある。まずは体験させて、興味や適性があれば伸ばすことが大切」と訴える。

 では、いつから始めればよいのか。兼宗教授によると、パソコンを使わなくても、コンピューターが動くときの基本的な考え方「プログラミング的思考」やコンピューターの仕組みを学ぶこともでき、小学校に入学したら適齢期。個人差はあるが、一般的には4年生後半から5年生で飛躍的に力が伸びるという。

 小学校では独立した科目としてではなく、さまざまな科目の中でプログラミング的思考などを学ぶ。中学校、高校でも順次必修化され、令和3(2021)年から大学入試センター試験に代わって導入される大学入学共通テストでは将来的に、国語や数学などと並んで、パソコンを使ってプログラミング技能を測る科目「情報」が導入される見込みだ。

 兼宗教授は「小学校では音楽や体育の時間があるが、将来その道で生計を立てる子は少ない。その点、今の子供たちはIT関連の仕事に就く子が35人中15人はいるはず。一過性のブームで終わらせないことが大切」と話している。

■書店にも関連書籍

 関心の高まりを受けて、書店に並ぶプログラミング教育関連の書籍も増えている。

 ITと教育書を専門的に取り扱う出版社「ジャムハウス」(東京)では「これから急ピッチで必修化の準備が進められる。プログラミング教育関連書籍を求める方がますます増える」と判断し、今春から、全国の書店で「プログラミングフェア」を開催。保護者向けの解説書や教師向けの教材集、プログラミング言語の入門書などをそろえ、7月にも教員向けの解説書の新刊を発売した。

 「新興出版社啓林館」(大阪)も3月、パソコンを使わずに、パズルのような問題を解いてプログラミングの考え方や論理的思考が身に付く小学生用のドリルを発売した。

 学校教師向けの教育書を数多く取りそろえる京都市南区の「アバンティブックセンター京都店」では、プログラミング教育の関連書を求める客が増えたことなどから今春、平積みで手に取りやすく配置。教材集や入門書がよく売れたといい、安西京子店長は「間違いなく需要はある。来春には親や子供も熱心に本を探しに来ると思うので、さらに大きなフェアをするつもり」と話している。

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