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G20首脳も愛飲した「河内産ワイン」

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 「夢のような話。ワイン造りの長い歴史の中でも初めての出来事だ」。自社製品がテーブルに上った「カタシモワインフード」(大阪府柏原市)の高井利洋社長(68)が声を弾ませた。先月28日に開催されたG20サミットの晩餐会に、河内産のワインも提供されたのだ。

 大阪において、ワインの原料となるブドウの栽培は約140年の歴史を誇る。府によると、明治11(1878)年に現在の柏原市で「甲州」という品種の栽培を始めたのが、産業としての起源だった。

 雨が比較的少なく、水はけの良い山麓の畑が多いなどの好条件に恵まれた府内のブドウ栽培は、柏原市と羽曳野市を中心に発展。昭和初期には、府の栽培面積が全国一の座に輝いたこともあった。農林水産省がまとめた平成30年の収穫量は4830トンで全国7位。今も有数の産地であることは変わりない。

 そんな本場で「カタシモワインフード」は大正3年の創業以来、100年を超える歴史を重ねてきた。河内地域では、同社や昭和9年創業の「河内ワイン」(大阪府羽曳野市)など5社ほどが、個性豊かなワイン造りに尽力している。

 高井社長によると、同社のワインは欧州産と比べて香り高くデリケートな味わいで、和食全般と合うのが特徴。晩餐会には、大阪特産の泉州水ナスと兵庫のハモの椀をはじめとする和の逸品が数多く並んだだけに、各国首脳らもワインの味を堪能できたはずだ。

 華やかな舞台に登場した河内産ワインだが、課題もある。ひとつは生産者の高齢化。栽培を続けられなくなったブドウ畑が増えている。加えて、昨秋には国産ワインの表示を厳格化する新基準がスタートするなど、ワイン造りを取り巻く環境は楽観できない。

 それだけに、今回の晩餐会で河内産ワインの味を世界に発信できた意義は大きい。「大阪という大都会の近郊に、これだけのワイン産地があるのは世界的にも珍しい」と高井社長。「この観光資源をどうやって生かしていくのか、府全体で知恵を絞っていかなければならない」とも力説する。

 歴史を積み重ねてきた河内産ワインのさらなる飛躍が、今から始まることを期待する。(藤崎真生)

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