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南海トラフ地震を前に連鎖する地震 大阪、京都でも急増

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 昨年6月18日に起きた大阪北部地震から1年余りが経過した。この地震の影響で大阪、京都府南部で地震の発生ペースは上がったままだ。地震研究者は「地震は連鎖する傾向がある。今後も地震への警戒を続けてほしい」と呼びかける。注意すべき地震について考える。(北村理)

 今年も大きな地震は起きている。5月10日には、宮崎県の沖合にある日向灘を震源とする地震が発生し、九州南部では平成8年以来となる最大震度5弱を記録した。3年前(平成28年)に発生した熊本地震の直後、複数の地震研究者は「歴史上、熊本地震と日向灘地震は関連性がある」と警戒を促していた。

 また6月18日には、山形県沖を震源とする地震があり、新潟県内で震度6強を観測した。

 地震の連鎖は、7年の阪神大震災でも発生から18年後にみられた。25年に起きた淡路島地震は、大震災の震源となった野島断層のすぐ南側が震源で、最大震度6弱を記録。これにより、阪神大震災の揺れの影響を受けていたと思われる多くの家屋が被害を受けた。

 「狭い国土で活断層が密集する日本では、1つの大地震が周辺の活断層を刺激し、その後長期にわたり地震活動を活発化させる要因となる」。東北大の遠田晋次教授(地震地質学)はこう説明する。

 大地震が起きると、震源の周辺で同規模以上の地震が起きることは一般的に「余震」と呼ばれる。熊本地震のように、震源の近くに活断層があると余震の方が大きくなり、連発型の大地震となる。また日向灘、淡路島地震のように、大地震の後、長期間を経て連鎖する地震もある。

 「以前は大地震間の関連性が不明であったことが多かったが、地震観測技術の向上で小さな地震まで観測できるようになり、その継続的な活動から関連性が理解できるようになってきた」。遠田教授の解析によると、23年の東日本大震災の後は首都圏で地震が急増。現在も、やや衰えつつあるものの、大震災前より活動が活発となっている。また、大阪北部地震後は大阪府内と京都府南部で地震が急増し、現在も増加し続けている。

 「こうした地震の増加が周辺の活断層に影響を与え、次の大地震を引き起こす要因となる」。特に首都圏や関西など都市部は地盤が軟弱な上、流通・交通網が密集しているため被害が大きくなる。もともとこれらのエリアは南海トラフ地震を前に内陸の直下型地震が起こりやすいとされ、政府も警戒を呼びかけている。

 遠田教授は「近畿・中部は活断層の密集地。加えて大阪北部地震、阪神大震災の影響もまだ残る。近年大きな地震のない中部地方でも警戒が必要だ」として、内陸の直下型地震対策への備えを促している。

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