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改元ひかえ企業に「元号離れ」 伝統重んじる声も

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 天皇陛下の譲位に伴い5月に元号が新しくなるのを前に、企業が外部に向けて発表する資料の年表記を、元号から西暦に切り替える動きが加速している。「元号離れ」には、経済のグローバル化と同時に「国内でも西暦の方が分かりやすい」との判断があるが、元号そのものに関しては「日本人にとって特別な意味がある」(財界首脳)と肯定的だ。(牛島要平)

 株式会社が証券取引所に提出する決算短信、金融庁に提出する有価証券報告書(有報)・四半期報告書などは元号と西暦のどちらの年表記でも可能。これまでは慣習的に多くの企業が元号で表記してきた。

 しかし、今年5月1日の改元が決まった平成29年12月以降、決算や有報を西暦表記に切り替える動きが相次ぐ。関西の主要企業ではシャープが30年3月期通期から、住友電気工業が同年4~6月期から、決算・有報の表記を切り替えた。

 JR西日本、関西電力など国内事業の比重が大きい企業にも西暦表記が広がっている。今年5月ごろに発表される31年3月期の通期決算・有報では、ダイキン工業や大阪ガスも西暦に切り替えることを決めた。JR西広報は「事業の国際化を踏まえ、業務上の混乱を回避するために、社内で全般的に元号を西暦に見直す動きがある」と話す。

 さらに、国内でも若い層を中心に「西暦志向」が強まっている。産経新聞が昨年12月に実施したアンケートでは、日常生活の中で主に元号と西暦のどちらを使うか尋ねたところ、「元号」と答えた人は70代以上で6割以上、60代では7割近くを占めたのに対し、30代では5割弱、20代以下では約4割にとどまった。

 シャープ広報は「業務の中では西暦の方が使いやすいと、多くの社員が感じている」と説明。企業には5月の改元が西暦に切り替える絶好のタイミングと映っている。大ガス広報は「西暦なら元号が変わるたびに年表記を変える必要がなくなる」と話す。

 ただ、関西経済同友会の池田博之代表幹事は「元号には日本の歴史と伝統を感じる意味がある」と指摘。大阪商工会議所の尾崎裕会頭は「ノスタルジーで(情感を込めて)時代を振り返るときには元号、ビジネスでは西暦と使い分けたらいいのでは」と話した。

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